京大はたくさんの学生が学ぶ、多様性溢れるキャンパスです。
その中には障害のある学生もいて、さまざまなサポートを受けながら学生生活を送っています。
京大で学ぶ障害学生の数は年々増えていますが、大学全体のバリアフリー化には、物理面でも意识面でもまだまだ课题が残っているところ。
京都大学の障害学生支援とは?今、大学にできることは?
谁もがともに学べる环境づくりを目指し、新しいチャレンジを続ける京大の障害学生支援ルームを取材しました。
障害学生支援ルームって、どんなところ?
障害学生支援ルームとは、学生が充実した学生生活を送ることができるよう设立された「学生総合支援センター」にあるルームの一つで、障害のある学生に対する修学支援の専门窓口です。
个别対応だけでなく、センター内のカウンセリングルーム、キャリアサポートルームとも连携し情报共有しながら、さまざまな角度から一人一人に合わせた支援を行っています。
★主な役割は???
- 障害のある学生の授业保障や学生生活を送る上での支援?相谈
- 障害のある学生をサポートする支援学生の养成?派遣
- 支援に関连する部局や教职员との连携
- 支援ノウハウ、情报の蓄积
- 支援に関する各种讲座などの开讲 别迟肠???
障害学生支援ルームを访问してみました!
一体どんな设备、サポートがあるのでしょうか?広报贬が実际に同ルームに行って见てきました!
场所はカウンセリングルーム、キャリアサポートルームと同じ「旧石油化学教室本馆」の中。お邪魔します!
明るい室内に入るとすぐ目の前にカウンターが。开放的でスタッフにも声をかけやすい雰囲気。
カウンターには笔谈器が置いてあります。
车いすがパンクしてしまったり、学生が急に怪我をしてしまったときなどのために、贷出用车いすを常备。
障害に関する书籍は全て贷出可能!最近追加されたマンガはとても人気なのだそう。
车いすの方が使いやすいように、テーブルの周りにはいすを并べていません。必要な人がその都度いすを出すシステム。
テーブルにはパイナップルパズル(左)と「ハノイの塔」(右)というゲームが。これらの地道に取り组む形のゲームは、気持ちを落ち着かせる作用があり、かなり热心に取り组んでいる学生もいるそう!
例えば「テーブルといすはセット」という、多くの人が持っている认识を一度见直し、「车いすの人からすると、使いにくいんじゃないかな?」という目线を持つこと、持ってもらうこと。
障害学生支援は、まずこういったことから始まるのかもしれません。
多くの人が当たり前に感じているようなことを、违う目线で见てもらう???。
障害学生支援ルームは、そのキッカケづくりにも积极的に取り组んでいます!
障害学生支援ルームのココがすごい!アイデア満载の刊行物
同ルームでは、障害に対する理解を促进するため、パンフレットやポスターなどの刊行物を作成しています。
障害について深く理解してもらうことはもちろん大切ですが、たくさんの人に、少しだけでも良いから「こんな障害がある」「こんな问题がある」と知ってもらうことも大切。
そのための工夫がたくさん詰まった刊行物をご绍介します!
「ガイドブック」ですが、册子ではなくカード!ページをめくる负担をなくし、个々の障害について一つずつでも知ってほしいという思いで作られました。
可爱らしいデザイン?サイズの「 」。里面には、障害学生支援に関わるキーワードが。日常的に见るものなので、「そういえばあそこに书いてあったなぁ???」とふとした瞬间に思い出しやすいですよね。
壁にあるのはカラフルな「 」。多様な人々がともに学び合えるキャンパスづくりを目指し、今のキャンパスの课题や生じうる问题、理想のすがたをイラスト化。
隅々までよーく目をこらしてみると、キャンパスに潜むいろいろな危険に気づかされます。実际にキャンパス内で见たことのある光景もちらほら???。総长をイメージさせるゴリラもいて、どこかほっこりするのもポイント。
障害学生支援ルームが力を入れて制作しているのが、こちらの「フリーアクセスマップ」。车いす対応の入口やスロープなど既にバリアフリー化されているところだけでなく、坂や段差といった现在あるバリアも分かりやすく表示しています。障害のある人が自らのスキルに合わせて目的地までの道筋を选択できる、全く新しい形のマップ!(クリックで大きな図を閲覧できます)
これらの刊行物だけを见ても、かなりの充実ぶり!
ただストレートに诉えるのではなく、 京大のオリジナリティ を盛り込んでどこかにインパクトを与えることで、少しずつ意识を浸透させていく。
情报を発信している立场として、広报贬も见习うべき点がたくさんありました。
では、実际に障害学生支援ルームを利用してみた感想は?日顷同ルームを利用している学生さんにインタビューしてみました!
利用者の声を闻いてみました! 教育学部1回生 油田优衣さん
以前、 「実は!」痴辞濒.42 にもご登场いただいた油田优衣さん。
「脊髄性筋萎縮症」という難病を抱えながらも、困難を乗り越えてきた経験を活かし、2016年に特色入试に合格!
「好きなこと、関心のあることを追究できるのが楽しい」と、障害学生支援ルームを活用しながら充実した大学生活を送っています。
蚕.障害学生支援ルームのことを知ったのはいつですか?
「いろいろな大学の障害学生支援施设を调べていて知りました。オープンキャンパスでも见学はできたのですが、个别にじっくりと见学したいと思い、高2の11月に京大のルームを访问。当时6~7校くらいの施设を実际に访问してみたのですが、京大の雰囲気がダントツ良かったんです!」
蚕.同ルームを利用してみて、良かったと思う点は?
「初めて访问したときから感じていたことですが、何といってもスタッフさんの頼れる雰囲気!人によって障害はバラバラですし、できる支援とできない支援があります。どこまでの支援ができるか分からないけれども、 一绪に问题を考え、解决してくれようとする姿势がとても协力的で心强く、安心感を覚えました。 」
また、支援者の确保は障害のある学生にとって大きな问题ですが、そこをサポートしてくれるところがとてもありがたいです。支援が义务化されていない高校では、先生に自ら交渉しなければいけませんでした。交渉のために时间を费やし、勉强する気力が残っていない、なんてことも???。けれども今は、困ったら相谈できる环境があり、移动介助をしてくれる学生サポーターさんもいます。 周りと同じスタートラインに立ち、好きなことに思いっきり打ち込めることが今はただ嬉しいです。 」
京都大学の学园祭「11月祭(通称狈贵)」でのひとコマ。クラスメイトと一绪に模拟店を开催!
蚕.今后、期待することはありますか?
「 大学内での食事やトイレ介助が可能になればと思っています。 実は、今の法律ではそこまでカバーされていなくて、教育机関の中で受けられる福祉のサポートには限界があります。日常的な当たり前のことを、みんなと同じようにできるようになれば、障害を理由に大学を諦める学生もきっと少なくなると思います。时间がかかる难しい问题ですが、少しずつ解决されていくことを愿っています。」
うーん、まだまだ大学には课题が山积みですね。障害学生一人一人に十分なサポートができる体制になるまでには、行政との连携や法改正などが必要になってくるかもしれません。
今、大学にできることは何でしょうか?大学全体のバリアフリー化を目指して活跃するルームのスタッフにも、话を闻いてみました!
スタッフに聞いてみました!村田淳 障害学生支援ルーム助教(チーフコーディネーター)
村田先生は、チーフコーディネーターとして日々たくさんの学生の相谈に乗り、文部科学省「障害のある学生の修学支援に関する検讨会」の委员を务めるなど、学内外の障害学生支援を推进しています!
蚕.同ルームの利用状况について教えてください。
「 合理的配虑 (授业や试験での特别措置)を必要とし、正式に登録している学生は40名弱ですが、个别相谈などでルームを利用する学生は、その倍以上にのぼります。どうすれば彼らの能力を伸ばせるか考えながら、个人に合わせたサポートを心がけています。」
蚕.学生サポーターは、どんなことをしているんでしょうか?
「现在70~80人の学生サポーターがいて、移动介助や授业中のノートテイク、视覚教材への字幕付与などサポート内容は多岐にわたります。フリーアクセスマップ更新のための调査も、学生サポーターに协力してもらっています!」
蚕.现状の课题を教えてください。
「例えば、バリアフリー化が大切だということはみんな分かっていますが、授业で学生に「さっき自転车を驻めたところは、视覚障害の方の妨げになっていませんでしたか?」と闻くと、自信を持って大丈夫だと言える人はなかなかいません。 当たり前で意识されないことを、ユーモアを使って浸透させ、共生できるキャンパス环境をみんなで作っていきたいですね。 」
蚕.最后に??? 障害学生支援において大切なこと って、何ですか?
「学生さんに相谈に来てもらっても、私たちスタッフが直接支援できるわけではありません。学生生活を过ごすキャンパスでは、 大学を构成する学生?教职员一人一人の意识が大きなサポートになります。 社会に出る前に、周りの学生と同じように过ごし、成长していってほしい。そんな愿いを込めて、 これからも学生さんと一绪に困って、一绪に困らない方法を见つけていきます。 」
障害学生支援ルームの「実は!」、いかがでしたか?
相谈に乗りサポートを行うだけではなく、环境づくり、意识醸成を目指した积极的な活动を行っていることが分かりました。
大学全体のバリアフリー化に向けて、キャンパスを构成する一员として、小さなことから意识してみようと决心した広报贬でした。
取材にご协力いただいた油田さん、村田先生、ありがとうございました!
次回の「実は!」もお楽しみに!
障害学生支援について、もっと知りたい方はこちら!
- 京都大学学生総合支援センター 障害学生支援ルーム
- 公益财団法人大学コンソーシアム京都 障害学生支援
→他大学の取り组みについて知ることができます!
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