尾池 和夫
オープンコースウェア(OCW)は、「知の集积拠点」である大学がその蓄积された知の典型的な体系化された情报である「讲义」の公开を通じてウェブにおける知的资产の蓄积に贡献する取り组みです。
この京都大学OCWは、京都大学で讲义に利用している教材をインターネットで公开するプロジェクトです。学内の学生、教职员、他大学の学生、関连学会の研究者、京都大学を志愿する高校生、さらなる学习を志す社会人など、あらゆる方々に京都大学の讲义内容を知っていただくことを目的とします。それに賛同してすでに讲义を掲载しておられるさまざまの分野の先生方が、その活用の様子を今日はご绍介くださいます。
京都大学オープンコースウェア総長懇談会は、昨年から始めた学内の会です。京大OCWに関心を持っておられる全学の教職員の皆さんが集まり、OCW活用に関する希望を聞き、京大OCWのあるべき姿をディスカッションする会です。今年からは、OCWに関心のある学生参加も認めています。昨年度は、MITの宮川教授が、応援に駆けつけてくださいました。MITでは、去年の秋に全学部の1800の講義を掲載されたそうです。今年は、本学工学部の卒业生であるGoogle Japan代表取締役 村上憲郎社長が、応援に駆けつけていただきました。京大は、Googleと提携を結び、去年のOCW懇談会をはじめ、すでにYouTubeで140の映像を公開しています。これからもOCWをさらに支援していただき、皆さんで一緒にOCWを広がりのあるメディアにしていきましょう。
OCWは、すでに世界20カ国以上、约150の大学でOCWが行われています。OCWには3つの贡献があります。1つ目は大学の壁のみならず国境の壁を越えて、教材の共有を行うことができるということです。これによって、人类の教育を行うことができ、教育者の理念を最大の形で表现することができます。2つ目は教育者の间で教材を共有することができるということです。教育方法を互いに教えあい、评価しあうことで、より良い教材をつくりだし、教育の质を向上させることが可能になります。そして、3つ目に大学のことを世界の人々に知ってもらうことができることです。
京都大学オープンコースウェアがインターネットに登场したのは、2005年5月でした。日本オープンコースウェア连络会(JOCW)が発足したことが始まりです。翌年、OCW国际会议を京都大学で开きました。国内の大学は、大阪大学、京都大学、庆应义塾大学、东京工业大学、东京大学、早稲田大学の6大学がJOCW参加大学でした。现在では、合计17の大学がJOCWに参加しています。
现在の京都大学OCWは国内の大学ではトップで毎月6万のアクセス数があります。2005年から、现在までのアクセス数は、100万アクセス数を突破しております。现在のOCWに掲载している讲义は、120讲义、そして、140の映像讲义コンテンツが掲载されています。
昨年のOCW恳谈会で出ていた今后の课题として、オープンコースウェアと言うメディアを、どのように使うのかということです。OCW公开を学内公开と、学外公开に分けることや、讲义ノートなどを随时改変できる対话型の讲义の导入、これに関连しては,大学全体での认証システムの整备も必要です。
どのように学内でOCWを広めていくか、その组织の体制をどのように作るか。别-濒别补谤苍颈苍驳とどう関连づけるか、CALLとどう连携するか、机関リポジトリーとの连携、映像アーカイブとの连携、讲义の内容を魅力的にしていく方策、システムの开発などなど、たくさんの课题が研究テーマとしても存在すると思っています。
皆さまの热意あふれるご协力の下で、これらの课题に挑戦する京都大学であってほしいと愿って、わたしのお礼とご挨拶といたします。