高次生体イメージング先端テクノハブ平成19年度成果報告会 挨拶 (2008年3月17日)

尾池 和夫

尾池総長京都大学は、知の蓄积をもとに教育、研究、社会贡献を行う社会に开かれた大学です。この颁碍プロジェクト「高次生体イメージング先端テクノハブ」も、京都大学の実践モデルの一つです。

キヤノン株式会社は、1937年にカメラメーカーとして创业して71年、京都大学は1897年に2番目の国立大学として创立されて111年目であります。この颁碍プロジェクトは、文部科学省の平成18年度科学技术振兴调整费「先端融合领域イノベーション创出拠点の形成」プログラムに、京都大学とキヤノン株式会社が申请し、採択されたものです。新しいタイプの产学连携のプロジェクトとして、注目されているものです。

平成18年の秋に、文部科学省ならびに科学技术振兴机构、プロジェクトに参画する各研究科长、キヤノン株式会社の皆様にお集まりいただき、盛大にキックオフミーティングを开催し、それから一年半が経过しました。

昨年、2007年3月6日には、研究成果报告会が90名の参加で行われ、また、4月10日には、私は西本先生と下丸子のキヤノン株式会社本社を访问して、内田恒二社长とお话ししたり、先端技术研究栋の见学をさせていただきました。

それからほぼ1年です。関係各位のご支援、ご协力、さらに协働机関、京都大学の研究者、职员のご努力によって、颁碍プロジェクトは顺调に発展し、すでに数々の成果を挙げているとうかがっております。ご支援、ご协力いただいている学内外の皆様に、颁碍プロジェクトの最高総括责任者として深く感谢申し上げます。

さて、本颁碍プロジェクトでは、京都大学とキヤノンの両者が対等の立场で协働し、新たな先端融合领域イノベーション创出拠点の形成を目指して医工连携研究を展开するという画期的な试みが成されています。人にやさしく、生体组织の形态や机能を可视化する新原理を开拓し、さらにそれらを活用して画像诊断技术を开発して医疗への応用を目指す、この颁碍プロジェクトは、「健康社会」の実现に向け、京都大学の社会贡献を世に示すことができる重要な取组みになっています。

高齢者が健康を維持しつつ、可能な限り社会活動に参加できる「健康社会」を実現することは、地球社会の持続的発展にとって不可欠であり、画像診断や医療と密接に関連した医工学の発展に大きな期待が寄せられる所以です 。

 
会場の様子京都大学では、このような社会的要请に応えるため、平成17年度に科学技术振兴调整费の支援を受けて、全学组织の「ナノメディシン融合教育ユニット」を设立し、工学と医学が融合した新兴领域の人材育成を目的とした大学院レベルの教育を実施してきました。この3年间の活动を通じて、すでに社会人と大学院生を合わせて120名余りがユニット修了証を授与されており、期待どおりの大きな実绩を挙げています。

ナノメディシン融合教育プログラムの実绩を基盘にして、工学研究科では、医学研究科の协力も得て、生命?医工融合分野の、分野横断型连携教育プログラムを融合工学コースのひとつとして新设し、平成20年度の4月より大学院教育を开始します。

研究面では、平成19年度に、京都大学における医工学研究の全学组织として「先端医工学研究ユニット」を设立しました。この颁碍プロジェクトは、人的并びに组织的な原资を投入し、この「先端医工学研究ユニット」を支えています。现在、京都大学では、これらの教育ユニットと研究ユニットの组织を统合発展させ、医工融合分野の教育研究を担う新専攻の设立を计画しているところです。

このように、医工融合分野の教育研究を通じて社会に貢献することは京都大学のミッションの一つであり、本CKプロジェクトはその中核にあって順調に発展し、所期の目標を達成して成功に導かれることを大いに期待しているところであります 。

発表される一年間の研究活動の成果が、独創的研究の萌芽となって、10年を想定した壮大な協働研究プロジェクトの基盤となることを祈って、私のご挨拶といたします 。

ありがとうございました 。