尾池 和夫
&苍产蝉辫;第9回京都大学国际シンポジウム「人间の安全保障のための地球环境学」の开催にあたり、主催者の京都大学を代表してご挨拶を申し上げます。
「京都大学国际シンポジウム」は、2000年以来大学の事业として毎年开催してきました。これまで海外で开催してきましたが、日本国内で开催するのは今回が初めてです。本年は、京都议定书が採択されて10周年、そして持続可能な発展の概念を提示した「ブルントラント委员会报告」が発表されてから20周年の记念すべき年に当たります。去る6月にドイツのハイリゲンダムで开催された主要8カ国首脳会议(骋8サミット)においても、地球温暖化问题が人类社会の将来を胁かす最も重要なテーマとして议论されました。その中で地球温暖化问题が安全保障にもかかわる课题として议论され、「気候安全保障」という言叶も使われました。
本日は特に首相官邸から安全保障担当の小池百合子首相補佐官に基調講演をお願いしておりましたが、国会の都合で環境省地球環境審議官の小島 敏郎様にご講演をお願いいたします。小池補佐官は環境大臣を長く務められ、環境と安全保障を論ずるにもふさわしい方で、このシンポジウムにも大変関心を示していただいております。ご予定の基調講演の内容を含めて小島審議官に今日はお話しいただきます。またシドニー大学国際安全保障研究センター所長のアラン?デュポン教授にも、専門的な立場からご講演いただきます。
地球温暖化に代表される地球环境问题は、我々の生活や生存の基盘をおびやかすものであり、その解决に向けた総合的な取り组みの重要性は近年ますます増大しています。人类が自ら起こした自然环境の変化のなかで、果たして生き残れるかどうか、その分かれ道に立っているのが21世纪であると京都大学では认识し、人类の未来のための教育と研究に取り组んできました。
京都大学は2001年に、創立以来築いてきた自由の学風を継承し、発展させつつ、多元的な課題の解決に挑戦し、地球社会の調和ある共存に貢献するとしており、8項目からなる京都大学基本理念を定めました。その中で、「基礎研究と応用研究、文科系と理科系の研究の多様な発展と統合」、「地球社会の調和ある共存」に寄与する教育や国际交流を推進すると述べています。
この理念は、本シンポジウムのテーマを考える上でも大変重要です。人间の安全保障の根干は、「环境の持続可能性」の确保であり、そのためには、自然科学?社会科学?人文学の诸学の成果を统合した地球环境学の生成と発展が不可欠だからです。こうした研究?教育活动を通じて本学の目指す地球社会の调和ある共存に寄与することができると确信しております。
本日の国际シンポジウムは、京都大学におけるこれまでの地球环境学の教育と研究の成果の上にたち、国内外から多くの専门家?実务家にも加わっていただき、新たな地球环境学の方向性を讨议し、政策的な提言も含め、世界に向けて発信することを目指しています。本日は基调讲演をいただいた后、各分野の専门家によるパネルディスカッションが予定されております。また、明日は3つのテーマに分かれた分科会で、より密度の浓い议论と学术交流が予定されております。最后までご参加いただけると幸いです。
今回の京都大学国际シンポジウムでは、人类社会の重要课题となっている地球环境问题とそれに対処するための新たな学の统合?発展に向けた活発な议论がなされます。その成果が、人类共通の课题である地球环境问题の解决に寄与するとともに、今后の地球环境学の教育と研究のさらなる発展に寄与することを心から期待しております。
皆様方のご议论や学术交流が、大きく実を结ぶことを愿って、私の开会のご挨拶といたします。
ありがとうございました。