医学研究科人間健康科学系専攻開設記念式典挨拶 挨拶 (2007年5月14日)

尾池 和夫

尾池総長京都大学大学院医学研究科人间健康科学系専攻の开设、まことにおめでとうございます。记念式典の开催に当たり、京都大学を代表して、お祝い申し上げます。

京都大学の医療技術者養成の歴史と「人間健康科学系専攻」の設置の経緯を少しお話しますと、本日ご列席いただいております元京都大学総長の岡本 道雄先生が初代学長をつとめられた医療技術短期大学部は、開設以来32年間に約4千名の優れた医療技術者を世に送り出し、本年3月をもって幕を降ろしました。

この医疗技术短期大学部を改组発展させた姿として、平成15年10月に医学部保健学科を设置いたしました。これは「こころとからだの健康―健康科学」を新しい学问として提唱し、高度先进医疗を推し进め、そして豊かな保健?福祉社会を実现することを目标としております。

保健学科がスタートし、顺调に进行するのを见届けるや、京都大学は早くも大学院设置の计画を进めました。そして本年4月、医学研究科に新しい専攻「人间健康科学系専攻」を开设することとなりました。大学院が学部の学年进行中に设置されるのは异例のことであります。これは京都大学が我が国の医学?医疗のあり方を深く考え追求する时、一刻も早く大学院の设置をとの结论であり、その理念と目的の明确さが十分に理解され支援されたものと考えております。ここに関係各位の热意と文部科学省のご理解、ご努力に深く感谢いたします。

さて、本専攻は、看护科学コース、検査技术科学コース、リハビリテーション科学コースで构成され、それぞれが深く连携することにより、人の真の健康を创生するため、医学をはじめとする自然科学并びに人文?社会科学を基盘として、全人的视野に立って医疗?保健?福祉を深く考察した「人间健康科学」の理论を构筑し、実践の方法と技术を确立させることを目标といたします。そして高度先进医疗に対応できる高度医疗専门职の育成と将来の教育者?研究者を志す人材の养成を行うものであります。

ゆずの木の植樹近年、医疗の高度化、キュアとともにケアの重要性の认识、少子高齢化、疾病构造の変化など、医疗?保健?福祉を取り巻く状况は大きく変化し、国民の健康に対するニーズは一段と多様化してきております。このような中、患者さんの日常生活への復帰を支援し、生活の质を高める上で、医疗?保健?福祉を総合的にとらえ、よりよいチーム医疗が実践できる高度医疗専门职の役割がますます重要になってきております。

また、本専攻の研究シーズと健康?医疗に係る社会のニーズを本日ご列席いただいております公司の方々等と共同研究を推进することにより、例えば健康な住居、健康な衣服、新しい医疗机器、介护ロボットの研究开発などに贡献できるものと考えています。

京都大学にこのたび「人间健康科学系専攻」が开设され、社会の养成に积极的に応えることは、诚に意义深く、また、时宜にかなったものとして、大きな期待をしております。京都大学は、基础医学の研究とともに移植?再生?遗伝子医疗などの高度先进医疗や医用工学などの新しい分野において、世界をリードする拠点となっております。今后、新専攻においても活発な教育?研究活动并びに诊疗活动を展开し、その成果を积极的に社会に还元、世界に発信することにより、人间健康科学分野の进展にますます贡献されるものと信じております。

本日ご列席いただいております、医疗技术短期大学部ご関係の皆様、文部科学省、京都府、京都市、医疗机関、公司をはじめ、ご関係の皆様方に感谢申し上げるとともに、更なるご指导、ご支援を赐りますようお愿い申し上げまして、私のご挨拶といたします。

ありがとうございました。