尾池 和夫
スティグリッツ先生、ようこそ京都大学にお越しくださいました。また、会场の入りきれないほどの方々が参加してくださいました。ありがとうございます。
京都大学は1897年に日本で2番目の国立大学として、伝统文化の中心である京都に设置されました。その歴史の中で「自由の学风」を育みながら、教育と研究につとめてきました。そのなかで、多くの优れた学者を生み出しましたが、今日の讲演会でその名前が冠されている経済学者の高田保马もその一人であります。
スティグリッツ先生は、ノーベル経済学赏を受赏された世界的な経済学者であり、1990年代のアメリカ合众国の経済政策を実践的にリードされました。日本语に翻訳されているたくさんの教科书を通じてだけでも、日本の学生も多大な恩恵をこうむっていますが、本日は、直接に学生たちに语りかけていただけるということで、まことにありがたく思います。
京都大学は、基本理念の前文で「京都大学は、创立以来筑いてきた自由の学风を継承、発展させつつ、多元的な课题に挑戦し、地球社会の调和ある共存に贡献する」とうたっています。スティグリッツ教授の今日のご讲演のタイトルを、主催者は「地球の全员のための公正贸易は可能か」と訳しています。贸易も、本来は双方の利益にならなければなりません。今回のご讲演のタイトルは、本学が基本理念で掲げている「地球社会の调和ある共存」はどのようにして可能かという问いかけに通じるものと思われます。
また、京都大学は、21世紀の主要課題の一つというべき環境問題の研究にも力を入れ、全学の協力によって地球環境学堂を設置しています。スティグリッツ先生の今回のご来日は、本学の佐和 隆光名誉教授、植田 和弘教授が中心になって京都の国際会議場で開催している環境経済学世界大会のためであるとうかがっています。昨日は、地球の全員のための環境の保全のあり方について積極的なお考えを提示されたとうかがいました。
贸易と开発の问题は环境问题と両轮をなす现下の基本问题でしょう。それは、「地球社会の调和ある共存」のために解决しなければならない问题です。スティグリッツ先生に、本日、本学でこの问题について御讲演いただくことは、まことに意义深いことであるという思いをお伝えして、歓迎と感谢のご挨拶といたします。
ありがとうございました。