名誉教授懇談会 挨拶 (2006年6月16日)

尾池 和夫

尾池総長

 いつもお元気な名誉教授の皆様方にお目にかかるたびに、いろいろ兴味深いお话をうかがい、歴史の重要な场面を再认识し、またさらに进めていかなければならない重要な问题を再确认させていただくというようなことがあります。名誉教授の皆様が、さまざまの面から京都大学のことを本当に大切に想ってくださっていることを、そのたびに感じ取ることができます。名誉教授の数を先ほど総务で确かめましたら、现在995名おられます。现役の教授が988名、7名の差で名誉教授の胜ちというところであります。本日も実に130名の名誉教授がご出席くださっています。

 2004年の1月5日、私は総长に就任して初めて、名誉教授の皆様方ご参加の席で、自分の心构えを话しました。法人化をその年の4月に迎えるであろうというときでした。総长室のホームページには、私の式辞や挨拶、あるいは学长会议の报告などが载せてあり、その数はもう150编に达しようとしています。2004年1月5日の挨拶ももちろん掲载してあります。

 今日の恳谈会にあたって、その挨拶で申し上げたことを読んでみました。それは私の心构えをそのときお话ししたからです。自分で自分の掲げた目标が达成できているかどうかと言う、これも自己点検评価の一つです。

 第一に、自由の学风を継承し発展させると申し上げました。これは私が発展させるというのではなく、京都大学の教职员や学生が継承し発展させるのを私たち役员が支えるという意味になりますが、国立大学法人となった今も、しっかり守られていると思っています。

シニアキャンパスでの一場面

 社会の评価を得るために、大学の中身を社会に见せる努力が必要と申し上げました。広报の机能を大幅に充実するということを申し上げました。今、これを进めています。昨年はジュニアキャンパス、シニアキャンパス、オープンコースウェアなど、多くの事业を始め、あるいはインターネット上で话题になる意味でも効果的な事业を行いました。

 国からの交付金やさまざまの竞争的资金が重要であると同时に、京都大学教育研究振兴财団をはじめ、多くの财団や市民からのご寄付が、京都大学の活动を支えてくださっています。同窓会组织の连帯と育成をはかるのも大きな课题の一つで、今年はいよいよ京都大学同窓会を立ち上げることができると思っています。

 地球社会の调和ある共存という基本理念のもとに、京都大学ではさまざまの研究グループが形成されています。研究成果を社会へ还元することの基本が教育であり、医疗であります。この面でも、多くの课题に挑戦する研究者のグループが育ち、成果を上げていると思います。

湯川朝永生誕百年

 京都大学は基础研究をしっかりと守る総合大学です。とくに今年から来年にかけては、汤川朝永生诞百年を记念して、多くの事业を展开する计画で、すでにその一部が始まっています。记念式典と记念讲演会は、汤川博士の生诞百年の诞生日である2007年1月23日です。

 京都大学の创立から109年ですが、このところ创立百周年のお祝いが次々とやってきます。先日は文学部创立百周年が祝われ、今、记念展示「百年が集めた千年」が开催されています。7月9日(日曜日)まで、総合博物馆2阶企画展示室です。

ボート部

 京都大学ボート部が、埼玉県戸田市の戸田漕艇场で开催された第84回全日本选手権の、男子かじ付きペアで优胜しました。京都大学の全日本选手権优胜は、全种目を通じて今回が初めてで、しかも今年は创部百年目でもあり、こんな目出度いことはないとう记念になりました。

 国际交流に関しては、アジアやアフリカの地域にも重点をおいて考えています。京都大学が主催する国際シンポジウムは、第9回を初めてアフリカで開催する予定です。さまざまの大学ランキングがありますが、最近では、2005年度の研究者の国际交流で、受け入れた海外からの研究者数では、京都大学が2,562名で1位、東京大学が2,332名で2位でした。ちなみに派遣数は、東京大学7,773名で1位、京都大学5,237名で2位です。

ホワイトナイル

 日本の私立大学との学术交流协定も意义のあることと考え、早稲田大学との间で协定を结び、その记念の意味もあって、両大学の学术の成果を活かした「ホワイトナイル」というビールを开発し発売しました。后ほど、それで乾杯していただくつもりです。

 今后とも、いろいろの场面で、名誉教授の方々のお世话になることが多々あろうかと存じます。ますますお元気で引き続き后进のご指导をお愿いいたしまして、ご挨拶の言叶といたします。

 ありがとうございました。