第12回大学教育研究フォーラム 挨拶 (2006年3月27日)

尾池 和夫

尾池総長

 京都大学高等教育研究开発推进センターが主催します、第12回大学教育研究フォーラムの开催にあたりまして、一言、ご挨拶を申し上げます。

 この集会も、大学教育の実践的な研究を集约する集会として、他に类例のないユニークな研究会として、広く社会的に认知されてまいりました。本年度も、北は北海道から南は冲縄にいたる全国から、480名以上の参加申し込みをいただいております。学年末の忙しい时期にこのように多数ご参加いただき、ありがとうございます。おかげさまで本集会も、京都大学の社会的责任に応えるイベントとして、成熟段阶を迎えつつあると考えております。このフォーラムは、特色骋笔「相互研修型贵顿の组织化による教育改善」の一环となっています。

 さて、今回の集会では、基調講演を井村 裕夫先生にお願いしています。皆さんご存知のように、井村先生は、わが国の行政レベルで、高等教育のありようについて、大きな方向付けを与える重大な仕事に従事しておられます。そればかりではなく、井村先生は、本集会を主催する高等教育研究開発推進センターの前身である高等教育教授システム開発センターの設立時の総長であられ、センター設立にあたって、たいそうご尽力いただきました。端的に言えば、井村先生のお力で、このセンターは発足できたわけです。それ以来、10年以上の歳月が経過いたしました。ここで今一度、井村先生に「日本の高等教育の課題」という題で、高等教育について包括的なお話をしていただき、私どもも今一度、センター発足時の初心に帰りたいと考えております。

 これに続くシンポジウムでは、井村先生のお话を「今日の贵顿」という具体的なレベルで受け止めて、贵顿に関して新しい方向を模索しておられる方々のお话を伺い、これを手がかりにして、议论をしようと考えています。今日のわが国の贵顿のありようの全体が浮き彫りになる、有意义な讨论になるものと期待しております。パネリストの诸先生方、学年末の忙しい时期にご参加いただきまして、まことにありがとうございます。

会場の様子

 さて、最後に、少し内輪の話になりますが、パネリストとしてもご参加いただいている林 哲介先生について、触れさせていただきます。林先生は、現在、全学共通教育を担う高等教育研究開発推進機構の機構長であり、同時に、このセンターのセンター長を兼任されています。京都大学の全学共通教育は、このような機構やセンターという形で、新しく構想され組織されてまいりました。この制度の構想と組織化に際しましては、林先生にずいぶんご尽力いただきました。先生は、この3月で、ご定年を迎えられます。私どもは、林先生のここでのお話を、今後の京都大学の教育のありかたを考える上で貴重な資産として、受け止めたいと考えております。

 今日から明日にかけての长丁场の集会が、生产的な论议の场となりますことを祈念いたしまして、私の挨拶とさせていただきます。

 たくさんのご参加、ありがとうございます。