尾池 和夫

皆さん、総长赏の受赏、まことにおめでとうございます。これは、东山理事からの経过説明にあるように、今回初めて授与されたもので、これから毎年、皆さんに続く受赏者が続々と出てくれることを期待しております。
京都大学学生の皆さんは、自学自习の伝统のもとに、教员や先辈たちと接しながら、また友人と议论しながら、それらの交流の中で自らの人格の确立を目ざし、学问の研钻を积んでおられます。しっかりと学习を进めながら、あるいは先端の研究に従事しながら、学园生活を謳歌するという青春のまっただ中で、さまざまの成果を生みだしている最中です。
そのようなさまざまの成果の中で、一段と优れた成果を、目に见える形で示された方たちに赠るのが、今年から始めた、この総长赏であります。京都大学に学んだ経歴の一つとして、记念としていただければ幸いです。
京都大学は、その基本理念において、教育に関して次のように定めています。
京都大学は、多様かつ调和のとれた教育体系のもと、対话を根干として自学自习を促し、卓越した知の継承と创造的精神の涵养につとめる。
京都大学は、教养が豊かで人间性が高く责任を重んじ、地球社会の调和ある共存に寄与する、优れた研究者と高度の専门能力をもつ人材を育成する。
この基本理念に照らして、ふさわしい成果をあげた皆さんが推荐され、审査を経て、今日この赏を差し上げることができて、私もたいへんうれしく思います。

今回差し上げた赏状は、京都大学の书道部の笔によるものです。また、记念の品は、この総长赏を创设するに际して、私が特别に用意したものです。デザインは京都大学の时计台と楠の叶を2枚、製品は京都象嵌、纳品してくださったのは京都の学生グループとして、象嵌製品の企画?デザインと広报?贩売戦略の立案までを手がける「りんず」です。
時計台は、1925年に建てられました。その時計は、75歳になる地元の杉谷ムセンの社長杉谷 鉄夫さんによって、今でも整備と調整が続けられ、正確な日本時を示しています。京都大学の自由の学風の象徴としてデザインしました。
象嵌は京都の伝统文化です。かつてシルクロードを通ってはるばる飞鸟时代に伝わってきたと言われます。平安时代には技术の基础が确立し、江戸时代には京都の刀などとともに美术工芸として职人が生み出した文化であります。京都大学の国际性と地域との社会连帯を表しました。
制作を依頼した「りんず」は、京都大学の大学院生である横尾 英史さんが主宰する京都の学生さんたちのグループです。京都府の創造的プロデュース事業の採択を得たグループです。学生さんたちの活動の成果がこの記念の品に込められています。
どうか、今后とも、ますます学习と研究をすすめ、京都大学の学生の一人として、皆さんがそれぞれに自分らしさを见せながら、やがて近い将来、世界で活跃する姿を见せてくださることを祈って、お祝いの言叶とさせていただきます。
おめでとうございます。