尾池 和夫
皆さん、おはようございます。
本日は、京都大学が开催するこのシンポジウムに、たくさんの方々にお越しいただき、ありがとうございます。京都大学を代表いたしまして、ご挨拶を申し上げます。また、3月13日の时点で、1,216名ものたくさんの方に申し込みをいただき、せっかくのお申し込みに开场の都合で、271名の方々をお断りしたそうで、たいへん申し訳なく思っております。
京都大学は、国外の各地で、研究テーマごとに専门家向けの国际シンポジウムをすでに7回开催しました。今回东京で第1回のこのシンポジウムは、京都大学の中にある研究所と研究センターを、市民の皆さまに顺次ご绍介申し上げようという企画で、今后10年、毎年、全国の主要都市で同じように开催しようという企画であります。なぜ、京都大学がこのような连続シンポジウムを、皆さまのご协力をいただきながら、开催しようとするのかを、简単にご説明したいと思います。
日本の国立大学は、2年前の平成16年4月1日、国立大学法人法のもとに、国立大学法人が置かれ、その法人がそれぞれの大学を设置するという形态に変わりました。以前の国立大学时代とくらべて、大きな、しかも重要な変化の一つは、大学の活动について広く市民の皆さんに知っていただくということが重要であるということです。国立大学法人になっても、その运営は国费を投入して行われるものであり、纳税者にその使い道を知っていただく必要がありますが、皆さまには大学が税金を使って何をしているのかを知る権利があり、见守る责任があるということもできるでしょう。
大学の活動は、申すまでもなく教育と研究と社会貢献です。京都大学には現在、10の学部、17の大学院、13研究所、17の研究センターがあります。約 3,000人の教員、2,300人の常勤職員、数千人の非常勤教職員、22,000人の学生がいます。その中で、全研究所と一部の研究センターの活動を紹介するのが、このシンポジウムです。4月からはまた、大学院が2つ、研究センターが1つ増えます。
京都大学 学部?大学院一覧 研究所?教育研究施設一覧
実は、京都大学は、日本で最も多くの研究所を持つ大学です。数のみでなく極めて広い分野にわたって高度の研究を行っています。しかもそのうちの9つの研究所、研究センターは、他の大学や研究機関に研究施設と研究上の便宜を提供する役割を持つ、全国共同利用研究所、センターとなっています。この全国共同利用研究所の仕組みを最初に創設したのも、京都大学の基礎物理研究所です。これは湯川 秀樹博士のノーベル賞受賞を機にできた研究所です。
このような京都大学の研究所が、今何をどのように研究しているのか、それは社会にどのように贡献できるのかを、わかりやすい言叶でみなさんに知っていただこうというのが、このようなシンポジウムを开催しようと思い立った最大の理由でございます。
京都は、世界文化遗产のある古都であり、伝统の町であると同时に、最近では京都プロトコルの地として注目する世界の人々がいるというように、常に新しいものに挑戦していこうとする気风のある町です。京都大学が、その伝统である基础研究を地道に守りつつ、しかも新しい时代の流れに即応して、さまざまの催しを全国に先駆けてはじめるのは、そのような京都という町の気风と无関係ではないかもしれません。
この会场のある品川は、昔の江戸から京都までの东海道の最初の宿场のあったところです。この品川を皮切りに、全国に向けて京都大学の主张と提言を発信していこうという私どもの决意に、どうか今后とも本日のようなご理解とご支援をいただきますよう、よろしくお愿い申しあげます。
本日は、4研究所の教员によって、东京の皆さんには特に関係の深い首都直下地震、そして目下、日本の重大问题である构造改革、また东アジアとの関係を课题として、京都からの提言が示されることになっております。私も、东京の皆さまと一绪に、研究所からの提言を楽しみにして参加させていただきます。夕方まで长时间ですが、最后までご静聴くださいますようお愿い申し上げます。
最後になりましたが、ご挨拶をいただく芦立訓文部科学省学術機関課長、また研究所仲間として午後のパネルディスカッションに参加してくださる一橋大学経済研究所の清川 雪彦先生、そして今回のシンポジウムについて全面的に後援いただいている読売新聞社に、厚くお礼申し上げます。読売新聞の京都版には、京都大学の研究所の紹介が連載されています。それもぜひご覧くださいますように。
読売新聞 企画?連載「知を紡ぐ」のページ
ありがとうございます。