尾池 和夫

10月1日付で、新しく5人の理事兼副学长、新しく2人の副学长をお愿いすることにいたしました。この新しい体制の発足にあたり、ご挨拶を申し上げます。
法人化にあたって、最初の1年半を新しいさまざまの制度を立ち上げるために当て、その后の3年を新しい制度による运営、そして第1期中期目标の后の1年半を、次期体制による评価と第2期中期目标、中期计画の策定に当てるという方针で、国立大学法人京都大学の役员会を発足させました。その第2段阶に入ったのであります。
皆さんのご苦労とご努力、ご协力の结果、ようやくさまざまの新しい体制が轨道に乗って参りました。京都大学の场合、その変化はあまり早いとは言えませんが、皆さんの合意を得て决まった新しい制度はしっかりと动き出すという特长があります。ゆっくりでも确実に进む改革が、実に大きな意味を持っていると実感します。
新しい役员会の発足に际して、京都大学を运営していく仕事を担う本部の私たちにも、多くの课题がありますが、今朝はそれらを罗列することは避け、一つだけ强调しておきたいことがあります。それは、必ず事务改革を进めなければならないということです。今まで、本间理事を中心にその準备を进めてきました。いよいよ具体的にそれを実现することが重要だと考えています。そして、今后、事务改革は、技术职も、図书も、事务职も、教员の仕事も、あらゆる职种を総合的に考えていくことが重要になると思っています。
京都大学は、一日あたり约3亿4千万円を支出する大学です。この财源は学生の纳付金、国民の税金、公司や个人の寄付など、さまざまな人々の努力でまかなわれているものです。効率よくそれを使いながら使命を果たしていかなければなりません。それが私たちの当然の责务であります。京都大学の使命は、教育と研究と社会贡献です。効率化することによってこれらのサービス机能が低下してはいけません。政府からの交付金がどんどん减额されている现状ですが、それによって使命が果たせなくなってはいけません。
事务改革は中期目标に书かれていることであり、必ず完成しなければならないことです。皆さんの経験によって、事务体制を改善しなければならないことは自明であります。どんな改革をしても、それが悬命に考えられた改革であれば、必ず今よりも良くなると私は确信します。

ボトムアップによるリーダシップと言ってきました。このリーダシップというのは、単に、法人化にあたって世间で强调された総长のリーダシップということを意味しているのではありません。これは教员も、职员も、それぞれ一人ひとりがその职场において発挥する、それぞれのリーダシップをも意味しているのです。
皆さん一人ひとりが、组织全体の持つミッションを见つめてください。それをもとにして仕事をすることを基本にさえすれば、必ず使命を果たす仕事ができて、サービス机能が改善されると信じています。9月13日の部局长会议で、事务改革に関して多くの贵重なご意见をいただきました。そこでは、改革の基本路线には异论がありません。技术的に詰めていくことによって、必ず実现できるという确信を持ちました。同时に、この议论を通して情报の流れが良くないと言う面も明らかになりました。改革が必要であるという认识は共通のものになっていると思っています。
先日も申しあげましたが、今日のここでの、私たちの発信するメッセージを、京都大学のすみずみまで伝えてほしいと思います。そして改革の理念を共有していただきたいと愿っています。
长い间に积み上げられてきた伝统が京都大学にはあります。それを急激に変えないように配虑するのが、ボトムアップを基本とするリーダシップを実现する一つの方法だと思っています。何はさておいても、京都大学には、「自由の学风」という、社会に认められた5文字の言叶があります。これこそ京都大学が守らなければならない贵重な财产です。同时に伝统を重んじるばかりで必要な改革を遅らせてもいけません。それらのバランスが大切であります。
法人化して昨年の4月1日、私は、「京都大学职员のみなさんへ」というメッセージを送りました。そこでも「失败をおそれない职员であってほしい」と申しあげました。「新しい制度のもとで、役员会が决定権を持つということは、责任も持つということです。みなさんが失败をしても、それが学生へのサービス向上を目指したものである限り、その责任は私が取ります。よく考えて信じるところを実行してください」と申しあげました。その言叶を今日も繰り返しておきたいと思います。
新しい执行部体制のもと、理事や副学长の方々と协力して、それぞれの持ち场で、京都大学のミッションをいつも唱えながら、学生や患者の颜を见ながら、大いに自主的に仕事を进めて顶きたいと思います。一人ひとりが时间を节约して、ますます质の高いサービス机能を、勤务时间内に自分たちで仕事を着実にこなすという体制を実现しながら、効率化を进めていただくよう、あらためてお愿いして、私の挨拶といたします。