京都大学未来フォーラム(第2回)「イラク戦争の現場」 挨拶 (2004年5月14日)

尾池 和夫

 このフォーラムは、京都大学が市民のみなさまをお招きして、京都大学の教职员、学生とともに、意见交换のできる场を提供していこうという意図のもとで企画するもので、今日はその第2回です。

 この会场は百周年记念ホールです。百周年时计台记念馆は、京都大学の创立100周年を记念して、広く寄付をいただいてできたものです。その大ホールで、この未来フォーラムを次々と开催していく予定です。どうか今日ご参加の皆様方も、お知り合いの方々に宣伝してくださいますよう、よろしくお愿いいたします。
 この大ホールに接する时计台の地下には、免震装置があります。80基のブリジストンタイヤ製の大きなゴムの台が时计台を守っています。この京都にはたびたび大地震が起こるのですが、その一つである1185年の大地震が、鸭长明の「方丈记」に描かれた大地震です。文治元年の夏の大地震で、揺れの拡がりなどからマグニチュード7.4と推定されていますが、どの活断层で起こったのかは、まだわかっておりません。白河あたりの震灾がとくにひどかったと描かれています。

 さて、今日は、この鴨長明の「方丈記」をよく読まれている鳥越 俊太郎さんをお招きいたしました。鳥越さんは京都大学に縁の深いジャーナリストであります。
 京都盆地の地形を拡大して、东に険しい山地を想像し、鸭川と桂川のある地形を20倍ほどに拡大して、チグリス川とユーフラテス川が流れる、川と川の间の、大洪水が形成した豊かな大地に、メソポタミア文明が生まれました。イラクの地形はアラビアプレートがユーラシアプレートに衝突する圧缩力でできた地形です。

 现场主义と言われる仕事の仕方からも、とくにフィールドワークを得意とする京都大学に学ぶ学生のみなさんには、学ぶところが一段と多いことと思います。お话を通じて、にじみ出てくる、真剣に现场で仕事をしている方の、そのような人生の流れも、闻き取っていただけると思います。

 私もこのような心构えで、今日の鸟越さんのお话を拝聴するつもりですと申し上げて、今日のフォーラムを始めたいと思います。ゆっくりとした时间を过ごしていただき、じっと话を闻きながら、一绪にイラクのことを考えたいと思います。

 たくさんのご参加、ありがとうございます。