尾池 和夫
副学长、各部局长、教职员の列席のもと、名誉教授の称号を受けられた皆様に、お祝いを申し上げます。长い间、研究者として、また教育者として、京都大学の教员として、知の蓄积に贡献していただき、また多くの学生たちを育てていただいたことに、京都大学を代表してお礼を申し上げます。
先日、ある会议の席で、ご高齢の名誉教授の先生から、いろいろときびしいご意见を赐りまして、会议の后、委员の一人に、名誉教授は大変や、と思わず申し上げましたら、「私も5日に称号授与される予定です」と言われ、恐缩しました。
実は、私も本来ならいただく席に座っているはずでした。理事の中にも、お2人の方が、称号授与された方々の席に座っておられます。
この授与式に先立ちまして、先日、2月23日には、長尾 真先生に名誉教授の称号を差し上げました。そのことをここであらためてご報告いたしたいと思います。なぜならば、長尾 真先生の業績は、先生の並々ならぬ才能と熱意とご努力によるものでありますが、その上に、今日名誉教授の称号を授与された皆様方のご協力とご理解があってのものでもあると思うからであります。
长尾先生は、よく日本语の话をされました。日本人は日本语を知っていると思うかもしれないが、日本人でも决してそうでなく、ことばの使い方を间违えます。表现の仕方を调べるために字引をひいても、ほとんど书いてない。计算机は、ことばのあらゆる使い方を网罗的に集めたりすることができて、辞书作りに使うといいと思う、と言っておられました。
そして、情报の群落と动态、情报同士の竞合、情报の消费、情报の力?行动力、情报の地理的?民族的?国家的特徴などという、新しい表现を次つぎとあげらました。そして「情报の生态学」を提唱されました。何が一番印象に残っているかというと、それを语るときの长尾先生の笑颜です。人工知能を语りながら、何とも楽しそうに、にこにこして话されたのです。それが1993年顷の话でした。
さて、1997年、京都大学は100周年を迎え、お祝いの行事が行われました。その年の12月16日に第23代の総长に就任されました。
その时からしばらく、公式の行事の时には、あまり笑颜をお见せにならなくなり、いつも慎重に话され、大変细かく気を配っておられるご様子で、大変なお仕事だと、横で感谢しつつ拝见しておりました。
総长に就任された长尾先生は、実务化の総长と私はいろいろの场面で申し上げたことがありますが、それは、例えば京都大学の教员と学生数の変化の数字に见られます。平成10年度では、それぞれ2809名、20852名だったのが、平成15年度では、それぞれ2906名、21532名というように、确実に増えている、つまり全体として発展しているということでもわかります。
长尾先生の业绩の记録は、皆様の记録でもあります。桂に新キャンパスができました。アジア?アフリカ地域研究研究科、情报学研究科、生命科学研究科、地球环境学堂?学舎などの大学院のコースの创设がありました。また、再生医科学研究所などが生まれ、京都大学の歴史に係る各种の资料の収集、整理、保存、閲覧及び调査研究を行うことを目的とする大学文书馆や、京都大学から世界に向けた知の结集?情报発信センターとして国际融合创造センターも设置されました。おかげさまで、今年4月1日には、东南アジア研究所と生存圏研究所が设置されました。
国际交流にも、遠隔講義がカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)との間で開始されるなど、いろいろな成果がありました。
长尾先生は、総长を退任された后、また、おおやけの场所で、思い切り笑颜を见せられるようになりました。名誉教授の称号授与式のあとでも、この百周年时计台记念馆から、にこにこして図书馆に向かわれました。
本日の皆様方の笑颜を拝见していて、法人化直前までの京都大学を発展させてくださったという満足感に満ちているように见えます。法人化という、いつもとはちがって、余分のご苦労をいただいたと思います。ありがとうございました。そのご努力を十分に活かしていくよう、私も努力していこうと思っております。今后とも、后进のご指导を赐りますよう、京都大学をよろしくと愿いして、私の挨拶といたします。
名誉教授になられた皆様、本日はまことにおめでとうございます。