教育研究評議会 挨拶 (2004年4月1日)

尾池 和夫

今朝、勤务时间が8时30分からという就业规则に合わせて、8时40分に地下鉄を降りて、公用车に乗せてもらいました。おかげで疏水の桜を见ることができました。ソメイヨシノが一斉に満开になりました。

これはみな同じ遗伝子を持っていて、枝や花のセンサーがアトモスフィアの条件を関知し、根のセンサーがリソスフィアの条件を関知して、一斉に咲くのだと思います。私は20歳くらいの时、この一斉に咲くのが不思议だと思いましたが、これが今では説明できるのです。大学の研究というのはそういうものだと思いました。

京都大学では、今日、东南アジア研究所が発足し、また生存圏研究所が発足しました。この生存圏研究所がアトモスフィアを研究しますが、宇治のキャンパスでは、足下のリソスフィアも一绪にして、地表から上と下の生存圏を研究しようとする计画を进めます。

国立大学もみな同じ遗伝子を持っていて、今日一斉に国立大学法人となりました。京都大学の遗伝子情报は百年史にありますが、私はまだ全部は読んでいません。しかし、50年ごとに大きく脱皮するような情报を持っているようです。

この大学の「京都大学」という名がはじめて使われた记録は、1891(明治24)年8月に作られた「京都大学条例」であろうと言われています。その第一条は「京都大学ハ天皇陛下ノ特别保护ノ下ニ立チ」と始まっています。

そして1949年、现在の4年制の大学(いわゆる新制大学)が、「学问の自由」、「学术の中心としての大学」、「大学の自治」を柱に设置されました。

2004年4月1日、国立大学法人法によって国立大学法人京都大学が设置され、その法人が「京都大学」を设置しました。この京都大学という名前は変わらないのですが、设置形态が変わりました。

今まで、法人化で京都大学は変わりませんと、私はいろいろな场面で申し上げました。しかし、実际は法人になって设置形态が変わったわけです。その準备の议论の中で、私はみなさんのご意见をじっと闻いておりましたが、昨日まで、基本理念を书き换えるという意见は一度も闻きませんでした。しかも自由の学风を継承し発展させ、とあります。やはり京都大学は、法人化で変わらないと、今あらためて确信している次第です。この基本理念のもとに、さらなる発展をはかっていきたいと思いますので、みなさんのご协力をお愿いして、挨拶といたします。