尾池 和夫
おはようございます。本日、私は、国立大学法人京都大学総长に就任いたしました。就任にあたり、京都大学の职员のみなさまに、ご挨拶申し上げます。
今朝、私は、新任の役员、部长、副学长、部局长などの方々に辞令を交付しました。京都大学は、新しい制度のもとで、新しく発足しました。そのことを、まず、みなさんの前で宣言し、同时に、マスメディアを通して、世界に宣言いたします。
昨日、23时20分、过半数代表者との协议が终了したという报告を受け、私は、今日の新しい京都大学の発足の準备が完了したということを确认いたしました。本间政雄事务局长による最后の、丁寧に书かれた报告书でした。
今日のために、不眠不休で準备を実行してくださったみなさんに、まず感谢いたします。人事课を中心に动く、昨日までの仕事を拝见しておりました。労使双方から伝わってくる热意の中に、今后の京都大学の発展のために、たいへん力强いものを感じました。それは同时に、多くの解决しなければならない课题があることを再认识するものでもありました。本当にありがとうございました。
この京都大学で、もっとも重要なのは学生であります。今日から、学生纳付金を直接大学へ纳めていただきます。その学生たちにいろいろな场面で接する职员のみなさんに、学生たちへのサービスを向上させることが、直接的に求められます。
大学は、高等教育を受ける権利を保障し、研究の成果を社会に还元し、人类の平和と福祉の向上に贡献するという责务を担います。その责务を果たすことが、大学の自治と学问の自由を保障されるための条件です。京都大学は、私立公立国立を问わず、多くの大学との协力のもとに、この责务を果たします。
大学は、社会に奉仕するものですが、その内容は、形をともなうものではありません。知の生产、知の蓄积、知の伝达というように、目に见えないものを、高等教育という场で社会に还元します。その结果が社会でどのように现れるかということも、大学はよく研究しながら、社会に贡献します。
大学の研究は、产业界から注文されて生产するものではありません。政府の要请に直接応じるものでもありません。大学の価値観は、ときとして社会の価値観と一致していないこともあるでしょう。そのずれも健全な国の姿であるという认识を、京都大学に勤める教职员のみなさんは、しっかりと持っていてください。
多くの课题が待っていますが、失败をおそれない职员であってほしいと思います。失败することによって、人は反省し、そこから学んで成长します。反省无くして进歩はありません。失败をおそれていると仕事が消极的になり、新しいことを実行することが出来ません。
新しい制度のもとで、役员会が决定権を持つということは、责任も持つということです。みなさんが失败をしても、それが学生へのサービス向上を目指したものである限り、その责任は私が取ります。よく考えて信じるところを実行してください。
职员は方针の决まっていることを、决まったとおり実行するだけではなく、现场で気づいた不备を、また、思いついたアイディアを、积极的に役员へ伝えてください。それによって、どんどんサービス机能が向上して行くという大学でなければなりません。
市民の目が、新しい京都大学を见ています。いろんな课题がありますが、一つひとつ、みなさんと一绪に実现していきたいと思います。一日の仕事は、8时30分までに头の中で确认しておいて、新しい就业规则を守り、17时15分までに一日の仕事を残さず済ませるよう、それではさっそく、本日も仕事に就いてください。