評議会での就任挨拶 (2003年12月24日)

最初の评议会の开催に先立ちまして、総长就任に当たって考えていることを少しだけ简単にお话しして、ご挨拶といたします。

ほぼ2年前、平成13年12月4日に「京都大学の基本理念」をさだめましたが、その前文には、「京都大学は、创立以来筑いてきた自由の学风を継承し、発展させつつ、多元的な课题の解决に挑戦し、地球社会の调和ある共存に贡献するため、自由と调和を基础に、ここに基本理念を定める。」とあります。

この评议会の议长を务めるにあたって、昨日、その基本理念をもう一度読み返してみました。

次に、国立学校设置法を読みました。国立学校设置法(昭和二十四年五月叁十一日)(法律第百五十号)に评议会を定めた条项があります。第七条の叁、国立大学に、评议会を置く、とあって、その6に、评议会に议长を置き、学长をもつて充てる、7に、议长は、评议会を主宰する、とあります。

これにもとづいて、本日より、评议会の议长を务めさせていただきます。

私は、総长に就任するに当たって、いくつかの準备をしました。その一つは、京都大学通则をはじめとする规定を読むということです。とくに评议会の役割についてです。

大学は、日本の教育と研究の中心であり、これらを通して市民の生活に贡献する责务を持っています。そして、教育も研究も、自由かつ自主的におこなわれてはじめて、その役割を果たすことができるのです。このことを守るために、宪法は「学问の自由」(第23条)を定め、大学の自治が认められていると考えます。

さらに、大学の自治の法律的な保障の一つとして、学校教育法第59条は、「大学には、重要な事项を审议するため、教授会を置かなければならない。」と规定しております。

京都大学评议会内规の第一条は、评议会で审议する事项をあげてあります。
これらのそれぞれの事项を分析し、考え、仕事を実施し、そして自己评価するのをどなたに分担していただこうか、ということが大学运営の基本であろうと考えました。そこから、后ほどご绍介いたします、ここに陪席していただく先生方の颜ぶれと分担が决まりました。

第1条の14に、は教育公务员特例法(昭和二十四年法律第一号)の规定によりその権限に属せしめられた事项、とあります。この特例法では、「学长の採用のための选考は、人格が高洁で、学识が优れ、かつ、教育行政に関し识见を有する者について选考する」ことになっております。

これを読んで、あらためて考え込んでしまいました。自分自身、このことを常に自覚していて、これに反しないように、また、さらに向上に勤めていなければならないと考えております。

次ぎに、学校教育法(昭和二十二年叁月叁十一日)(法律第二十六号)です。

第五十二条 大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とする。

京都大学は、第1に人であると思います。教员、学生、职员、さまざまの人たちが、一见ばらばらに好き胜手な方向を向いて仕事をしているように见えますが、それがある时には强い连帯意识を持って京都大学を构成するのです。

紧急の时に何を守るかというのをまず决めることが、大きな组织にとって最も重要なことであるということで、まず、危机の时には、まず学生を守るということを京都大学の危机管理の基本にしたいと思っています。

次に人事です。人事を行うときには、何らかの意味で必ず将来京都大学を支える人物になるという人を、あるいは世界の人类を支える人物となる人を、広く世界から求めて、选んでいただきたいと思います。それさえ忘れなければ、この大学はしっかりと世界の人々に贡献する学问の场所となると、私は信じています。

『法人法案』では、业绩评価のみならず、监事、役员会、経営协议会、学长选考会议の构成の面で、学外者の大幅な関与があります。

大学评価について、数ヶ月後に法人化する時点でも、まだ試行錯誤で評価を行うといわれていること自体は、大きな問題でありますが、それはそれとして、評価は大変重要です。

大学の評価は大学でなければできない面があります。自己評価をきちんとすることができる必要があると思います。そのため大学评価の京都大学方式を確立するための、評価方式の分析と独自の検討を進めたいと思っています。

第1期中期目标と中期计画についてです。国立大学法人评価委员会総会の第1回の议事禄によりますと、さらに、委员长のまとめの中で、「それからもう一つ、国会の附帯决议でございますけれども、中期目标の修正につきましては、财政上の理由その他真にやむを得ない场合に限るということが决议されているところでございます」とあります。

つまり、财政という点で、修正を求めるということを言っており、あくまでも国の予算支出を押さえる方向が见えるわけです。国の根本を支える教育と研究の基础を揺るがす政府の方针を、よく分析しつつ、市民に问题点を知らせる必要があると思います。

同じ情报を构成员が持つことによって、同じ土俵で物事を考え、意见を交换していくことが必要だと考えます。企画と基本的な方针は皆の意见を交换しながら组み立てるものであり、それには时间がかかります。长い间に积み上げられてきた伝统が京都大学にはあります。それを急激に変えないように配虑するのが、ボトムアップを基本とするリーダシップを実现する一つの方法だと思っています。

以上のようなことを考えて、ホームページにある総长からのメッセージを書きました。ご一読くださいますように。