本庶副院长?特别教授からのコメント
みなさんおはようございます。夜遅くから朝早くまで大変ご苦労さまです。私は昨日すでにインタビューをして、昨日急にこういう事态になったので、そのことに関していくつかのことを申し上げましたが、その后ちょっと落ち着いていろいろ考えてみますと、私は本当に幸运な人生をこれまで歩いてきたと言わざるを得ません。
まず第一に、私は両亲から非常に良い遗伝子をもらったということ、健康であるということが何よりもありますし、性格的に物事を突き詰めて考える、これは私の本庶家というものが代々お寺なんですけども、お寺から分家して、この本庶家というのはそんなにたくさんは无いんですが、だいたいみんな、そういう人が多いというふうに闻いております。
また、私の研究のタイミング、これは日本の高度成长期の経済発展と非常に合っておりました。1970年に外国へ、大学院を修了后に行きまして、当时日本の助手の给与がたぶん月に4万円から5万円、アメリカに行ってポスドクをして、帰ってきた时の给与が(年间)2万2~3000ドルですから、経済格差が非常に大きかった。ところが日本へ帰ってくる时は、そういう意味で大変逡巡がありまして、米国の私の指导者で先生であったフィリップ?リーダーは、「お前は残るべきだ。アメリカから日本へ帰ったんでは溃れるだろう」と言われました。しかし私は、家族が中途半端な状态で、子供も二人いましたので、きちっとした日本の教育を受けさせたいということで帰る决意をしたんですが、それと同时に、一度日本で本当にまともな研究ができるかどうかチャレンジしてみたい、ということで帰ってきました。
非常に幸运なことに、もちろん最初は研究费などはほとんど取れなくて、东京大学の助手として帰ってきて最初にもらったのが50万円の研究费でありました。ところが幸いなことに、アメリカのボスが、帰る前にジェイン?コフィ?チャイル?メモリアル?ファンドに応募しようと、当时私は若手の研究者だったのですが、それが年间3000ドルで、日本の若い人にとっては破格の研究费用だったんです。そういうことから、続いて大阪大学に、当时の山村雄一先生から突然电话がかかってきて呼ばれて、その时から日本の科学研究费の金额も非常に大きくなって、ずっと科学研究费に支援されて研究を続けられた。そういう非常にめぐり合わせが良かった。さらに1970年代に、遗伝子组み换え技术の开発が进んで、その后は顿狈础シーケンスから遗伝子のノックアウトなど次々と生命科学の革命的な展开の中で、私自身の研究?好奇心を追求する道が非常によくマッチして今日まで来たということで、昨日も言いましたように、私は本当に絶望的な、もう駄目でやめようかと思ったことは一度もなかったということで、本当に幸せ、幸运であったと思っております。
また、当然この间、多くの共同研究者、それからテクニカルスタッフ、秘书等々にサポートしていただきましたし、后で家内がなんというか知りませんけれども、あまり私は家族のことは、细かいことにはタッチせずに、典型的な亭主関白として研究に迈进してきました。そういうことをさせてくれた家族にも、感谢しております。ともかく、こういう人生を二度とやりたいと言うと、ぜいたくだと言われるくらい、自分としては充実した人生でこれまで来れたと思います。
最近、大学の法人化という改革が起こりました。それはちょうど私が笔顿‐1でガン治疗の原理を発表した前后です。その当时、私は特许は本来大学が出すべきであると思いまして、大学に相谈したんですが、大学にはそういう能力がない、お金もないということで、どこかの製薬公司と组んで出せと言われたので、それは私にとっては、今に至るまで非常に残念なことであると思っています。先ほど申し上げましたように、この果実は大学に返して、そして次の后进を育てることに使いたいと思っております。
そういうわけで、こういう基础研究から応用につながるということは、决してまれではなく、しょっちゅうあるわけではありませんが、ライフサイエンスにおいてもこういうことはあるということを実証できたことで、ぜひ基础研究にきちんとしたシステマティック、なおかつ长期的な展望でサポートして、若い人が人生をかけて良かったなと思えるような国になることが、重要ではないかと思います。
现在は日本の国は、いわゆる自动车とか滨罢とか、そういう产业で国を支えていますが、何といっても生命科学、人がいかに生きるかということは人间の根干でありまして、これからの成长产业というのは、訳が分からないところで新たな変革?革命が起こるので、ライフサイエンスに投资しない国は未来がないと思います。実际に我が国のライフサイエンスの投资は、私が総合科学技术会议にいたころから大体30%、米国では半分以上です。大体世界の大きな国はライフサイエンスが次のサイエンスだということで、半分以上のサイエンスの投资をしておりますが、私の知ってる限り、日本ではその点、政策立案段阶で依然として昔の「长高重大」型の発想から抜けきれていない。サイエンスは未来への投资でありまして、今储かっているところに更にお金をつぎ込むのであれば、やはり遅れを取ると思います。
本庶副院长?特别教授ご夫人からのコメント
私は大学で理系を選んで、研究の大変さというものがその時から知っておりましたので、結婚しまして、すぐ子供に恵まれたこともありますが、ずっとここまで主人を支える側に回ってきました。アメリカ、東京大学、大阪大学、京都大学と研究の場を何回か変えてまいりまして、そのたびに子供の学校も変わったりいたしまして、またあっという間の時間だったなと思いますが、今回ノーベル赏を主人が受賞する結果になり、大変私たちとしても嬉しく、家庭を支えたこともしょうがなかったかなという思いでおります。
今、大きな赏をいただくにあたり、そばで主人を见ておりまして、何でも諦めない、とことん极めるということは、仕事はもちろんそうですが、家の中のちょっとしたことでもそういう态度は见ておりましたので、この结果につながったのかなというふうに思っております。
関连リンク
- 本庶佑 高等研究院副院長?特別教授がノーベル生理学?医学賞を受賞(2018年10月1日)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/about/events_news/office/soumu/koho/news/2018/181001_2.html -
本庶佑 高等研究院副院長?特別教授が記者会見を行いました。(2018年10月1日)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/about/events_news/office/soumu/koho/news/2018/181001_2_2.html -
本庶佑 高等研究院副院長?特別教授に花束贈呈が行われました。(2018年10月2日)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/about/events_news/office/soumu/koho/news/2018/181001_2_3.html - 本庶佑 高等研究院副院長?特別教授のノーベル赏受賞関連論文リンク集を公開しました(2018年10月3日公開)(図書館機構Webサイト)