京大の「実は!」痴辞濒.44 「ダイナミックな火山活动を観测?调査!「京都大学防灾研究所附属火山活动研究センター」の実は!」

突然ですが、皆さんは火山を见たことがありますか?

火山と闻くとシ~ンとしている山ではなくて、どうしても喷火の様子を思い浮かべてしまいがちです。
ニュースなどで映像を见たことはあっても、実际にこの光景を目の当たりにしたことがある人は、少ないのではないでしょうか?

火山の喷火も、自然灾害の一つ。

いつ起こるか分からない、そしてどれくらいの规模で、どのような被害を及ぼすか分からない点では、地震や台风などといった他の灾害と同じです。

「いつ灾害が起こるかわからない!」という紧张感を持って、365日火山と向き合っている人たちが、実は京大にもいます!

京大の远隔地施设の一つ、桜岛にある火山活动研究センターに突撃取材してきました。
さらに、新しくできた観测坑道のお披露目にも立ち会ってきましたよ~。

遅ればせながら、今月号よりメルマガを担当することになりました、新米広报贬です。

広报叠氏のアツイ京大爱を受け継いで、皆さんにもその爱をおすそわけし、

「京大って面白いなぁ」「やっぱり京大のこと、好きだなぁ」

と思ってもらえるよう、顽张ります。どうぞよろしくお愿いします!

大いなる自然の力。それを见守り、活かし、ときに立ち向かう人たちの姿。
今回の取材から少しでも皆さんに伝わると良いなと思っています。

まずは???「火山活动研究センター」ってどんなところ?

火山活动研究センターは、京都大学防灾研究所の附属研究センターの一つです。

前身の桜岛火山観测所は、1955年から始まった南岳の山顶火口における喷火活动を背景に、1960年に设立されました。その后、1996年に火山活动研究センターへと改组されました。日本で最も活动的な桜岛をはじめとして、萨摩硫黄岛(さつまいおうじま)、口永良部岛(くちのえらぶじま)、諏访之瀬岛(すわのせじま)など雾岛火山帯に属する火山群をフィールドラボラトリーと位置づけ、常时観测と现地観测调査を行っています。

独自に进めている観测?研究に加え、国内外の大学?研究机関と共同で観测?研究を実施するとともに、ハザードマップの作製や住民を対象としたセミナー?説明会の开催など、火山防灾に资する活动にも精力的に取り组んでいます。

火山活动研究センター见学レポート!

京都から鹿児岛へもなかなか远い道のりです。しかし火山に近づいていると思うとワクワクが止まりません。

鹿児島に到着したら、いよいよ海を渡ります。Mother Lake Biwaを見ながら育った広報H、大海原にも大興奮!

いざ桜岛へ出発!

桜岛へは、鹿児岛港からフェリーで向かいます。

火山活动研究センターのスタッフの多くは、毎日このフェリーでセンターへ通っているそうです。

またこのフェリー、なんと24时间运航!海に囲まれた桜岛、船がないと大変心细い???。岛の人たちの大切な足となっているんですね。

青い空。白い云。この表现はズバリこの鹿児岛の风景を表しているんじゃないかと思うくらい、シンプルに美しいです。

フェリーなんてめったに乗ったことのない広报贬、ここでもワクワクが止まりません。海がとても綺丽でのぞき込んでしまいたくなるのですが、钝くさい広报贬は落っこちそうなのでおとなしく着席。

约15分のゆるやかな船旅を终え、ついに桜岛の大地を踏みしめました。

火山活动研究センターに到着。

センターは桜岛港から徒歩约10分のところにあります。坂を上っていくと见えてきました!

あれ?リゾートホテルかな?いいえ立派な観测施设です!

年季の入った看板。桜岛観测所の名がはっきりと刻まれています。

中に入ると、大正3年の大喷火の际の写真などが展示されています。

中道治久 防災研究所附属火山活動研究センター准教授に、センターを案内してもらいました!

初代施设长の佐々宪叁教授とソックリ???と思ってしまったのは広报贬だけでしょうか???。

このセンターは、现在繰り返されている昭和火口喷火の観测基地となるばかりではなく、今后予想される大喷火の予知を行うための基础研究の基地ともなっています。

大活跃するのが、 水管倾斜计 伸缩计 などの観测装置!これらは外気温の変化を受けにくい観测坑道の中にあり、喷火の前兆となる微小な地殻変动をいち早く検知します。次はそんなすごい装置へ???。

热のこもった説明をしてくれる先生。火山爱が溢れています。

いろんな装置、部屋を案内してくださいました!

とりわけ京大ならではなのが、「煤书き地震记録装置」という开所当初から稼働している装置。

そう、火山活动に伴って起こるのは喷火だけではありません!山顶喷火の前兆となる地震も、注意しなければならない灾害の一つ。センターでは地中地震计や広帯域地震计を用いて火山性地震?微动の観测も行っているのです。

この装置では纸を焼いて炭を定着させる煤付けという昔ながらの手法をとっていますが、これが一番确実で、最も良い状态で记録を残せる方法なんです。
ガスバーナーで炎を出してその先に纸をあて、ドラムを回しながら煤を付けていきます。

しかも100年前と変わらぬ手法!これを今でもやっているのは京大だけ!

地震や喷火に伴う空気振动を记録するための煤书き记録装置です。全部で7台が稼働しています。

しかし机械が壊れてももはや直せる人がいないので、维持が大変だそうです???。

装置に近づいてみると、细く线が引かれているのが分かります。アナログだけど精密です。

ここは何をする部屋ですか?なんとなく部屋の名前でイメージは涌きますが???「煤书き记録装置の纸を交换して、煤を付けるための部屋です。」

「これは、煤付け装置です。煤书き记録装置のドラムに纸を巻き付けて、モーターをぐるぐる回しながらガスバーナーで煤を付ける装置です!」

「记録纸をニス液にくぐらせることで、记録纸の煤を固定します。ドラムからはがしニスを付けた后、记録纸を乾かします。1日乾かせば100年保つ记録纸の完成です!」

ちなみに煤书き记録を交换している様子はコチラ!

ハルタ山観測室にある機械式地震計の煤書き記録交換の様子。(交換しているのは為栗健 助教)
これは现在稼働している国内唯一の机械式地震计なんです!初代施设长の佐々教授が考案された地震计です。

「自然に学ぶ」

自然に学ぶ 」―初代施设长、佐々教授の言叶です。1955年の桜岛南岳山顶喷火时から、ずっと火山活动を见守ってきた教授の言叶。

火山は必ず、事前に何らかの予兆がある。教えてくれる。
その自然からの信号に耳をすまさねばならない。

そんな自然からのメッセージによって、微小な动きをとらえることができれば、大规模な灾害を防げるかもしれない。

そこには人间の生命を守ろうとする使命感?紧张感と、自然と共存していこうとする姿势が见てとれます。

佐々教授が自らに言い闻かせていた教训でもあるこの言叶は、今もこうして大切に额に饰られ、センターのスタッフ全员の心に响いています。

この言叶を胸に、センターのスタッフは今日も火山、自然と向き合っているのです。

ひととおりセンター内を见学し、火山活动を観测?研究するための充実した设备に感动していたところで???桜岛に新たな観测坑道ができるとの情报をキャッチ!
新坑道の见学会が行われるということで、そちらにも行ってまいりました。

新観测坑道「高免(こうめん)坑道」潜入レポート!!

桜岛にはすでにハルタ山、有村と2本の観测坑道が存在していますが、桜岛の北东にできた3本目の観测坑道は一味违います!

それは既存の観测坑道の规模そのままに、大规模喷火に対応できるようグレードアップしていること。

この観測坑道ができた経緯は、2013年に桜島周辺の4市(鹿児島市?垂水市?霧島市?鹿屋市)からなる「桜島火山活動対策協議会」が、保岡興治 衆議院議員に火山観測?研究の拡充を要望したことから始まります。桜島火山のことをよく知り、噴火被害の恐ろしさや影響を肌で感じている地元の方々から、「火山の特性に応じたよりきめ細やかな観測?研究ができるように」と声があがりました。

なぜ火山観测?研究の拡充が必要なの?

桜岛は国内でもとりわけ活発に火山活动を続けており、地域住民の生活圏と非常に近接していることから、住民の生活にも大きな影响を及ぼしています。姶良(あいら)カルデラ下には大正喷火当时の约9割のマグマが蓄积されており、火山活动の长期化?活発化、さらには 大正喷火级の大喷火 が起こる可能性も悬念されています!

住民の安全、そして生命を守るためにも 、火山喷火予知に向けた観测?研究を十分に行える环境の整备が不可欠となっています。

また、大喷火が発生すると経済やライフラインが停止するほどの深刻な影响を与えることから、火山喷出物量による灾害予测やリアルタイムの情报提供ができるよう、観测?研究の拡充も求められているのです。

なぜ観测坑道が必要なの???

火山活动を事前に検知し、防灾対策をとるために坑道は重要な役割を担っています。
なぜなら、坑道は外気温の変化を受けにくく、より精密に地殻変动を検知できるスポットであるから。

1本目のハルタ山観测坑道は南岳爆発の70%、2本目の有村観测坑道は昭和火口爆発の90%について、直前に起こる地盘の隆起?膨张を确认できていました。そこから喷火に备えた早期対策の実践が可能となっていました。

しかしこれらは小规模喷火の场合です。大规模喷火については未経験で、既存の技术で太刀打ちできるかは分かりませんでした。

そこでこの高免観測坑道については、ハルタ山、有村観測坑道の規模を踏襲しながらも、水管倾斜计と伸缩计を一つの器台へ乗せコンパクトにする、坑道内システムをデジタル化することでより高精度な観測を可能とするなど、これまでとは一味違う工夫をこらした設計が行われたのです。

観测データは、自治体の避难计画や気象庁の监视観测に活用されます。大规模喷火の际は京大がデータ集约?解析の拠点机能を果たし、県と连携をとってデータを避难决定などの防灾対策に活用してもらいます。

坑道内部に潜入!

取材时はお披露目用にデコレーションされた坑道。さあ、いよいよ潜入します!

屋外と比较すると、坑道内がずいぶん暗いことが分かります。引き返すなら今だぞ!(探検家心の声)

长く伸びる坑道。ダイナマイトで溶岩を爆破しながら掘り进められたものです。长さは235メートル。

坑道を进んでいくと、长く伸びる管を発见!もしやこれが噂の観测装置!?

ケースの中に水が入っています。???ということは水管倾斜计ですね!本来はこの水槽の上に黒いセンサーが取りつけられています。

センサー装着后。二つの水槽に浮きをうかべて、水位差を読み取り、地盘の倾斜を算出します。

温度计収纳箱です。コードが何本も延びていて、さまざまなところにデータが送られるであろうことが予想されます。

こちらは伸缩计。地盤に設置された二つの台の片方に基準尺を固定して、基準尺の長さに対する地盤の伸び縮みを測ります。

小部屋にたどり着きました。奥に见えるまあるい物体は何でしょう?

左の緑色のものが広帯域地震计です。右の黒いのは地震计カバーです。人が感じないくらい小さな地震から人がわずかに感じる少し大きな地震まで観测できます。なんと、4分间のゆっくりとした地面の揺れも観测できるんです!

こんなスゴイ技术が隠されていたとは???大规模喷火に対応できる、レベルアップした新観测坑道。ますます期待が高まります!技术の进歩、桜岛の未来に思いを驰せながら、坑道を后にしました。

潜入を终えて。

桜岛の喷火活动は、时代とともに形态を変えてきています。それに合わせて観测技术の向上や喷火机构の研究拡大などが必要になってきます。

今回见学した火山活动研究センターは、地元の方々の理解?协力を得ながら、より早く、より正确な喷火予知と防灾対策を目指してきました。新観测坑道の建设は、地元の方々の期待、桜岛の未来を背负った新しい一歩と言えます。

火山を思い浮かべるとき、山だけではなくて、その周辺に暮らす人たち、それを见守っている人たちのことも意识するようになった広报贬でした。

火山活动研究センターについて、详しくはこちら!

  • 京都大学防灾研究所附属火山活动研究センター 桜岛火山観测所

远隔地施设情报はこちらでも!

京都大学ライブカメラ

京都大学ライブカメラでは、京都大学国内各拠点に设置したカメラにより、リアルタイムのライブ映像を见ることができます。桜岛の火山の様子を见てみたい人はこちらへ!

京大ウィークス

「京大ウィークス」は、全国にある京大の远隔地施设をより知っていただくべく、北海道の研究林や桜岛の火山観测所など毎年さまざまな施设で、施设见学会や讲演会、体験実験、自然観察会など、皆さんの知的好奇心を刺激する魅力いっぱいのイベントを実施する企画です。
「京大ウィークス2016」は11月5日(土)まで开催中!参加可能なイベントについては、以下のページをチェックしてみてください。

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