京大の「実は!」Vol.33 「京都大学デザインスクール」の実は! -「京都大学サマーデザインスクール2015」を彻底レポート!

京都大学で「デザイン」を学ぶことができるって、みなさんご存知ですか?

「京都大学デザインスクール」は、复雑で多様な现代社会の诸问题を解决するため、异なる分野の専门家との协働によって、「社会のシステムやアーキテクチャ」をデザインできる人材を育成することを目的とするプログラムです。

サービスデザイン、业态デザイン、环境デザイン、街并みのデザイン、コミュニティデザイン、社会のデザイン、教育方法のデザイン、体験のデザイン???など、その切り口はさまざま。分野の枠を飞び越えて集う教员?学生たちが、京大ならではの多様なデザインを学问しています。

そんな京都大学デザインスクールで、「京都大学サマーデザインスクール(蝉诲蝉)2015」が、9月16日(水)~9月18日(金)の3日间开催されました。

京大ならではの知的なアイデアが生まれる场に、広报叠が密着取材をしました!

「京都大学デザインスクール」ってなに?

国际社会は今、温暖化、灾害、エネルギー、食粮、人口など复合的な问题の解决を必要としています。そこで、异なる分野の専门家との协働によって「社会のシステムやアーキテクチャ」をデザインできる博士人材の育成を目指すのが のプログラムです(※)。

本プログラムでの「デザイン」の概念は、美术や工芸などのデザインではなく、「与えられた环境で目的を达成するために、さまざまな制约下で利用可能な要素を组み合わせて、要求を満たすモノを生み出すこと」。ここでのモノは製品を表すのではなく、社会のシステムやアーキテクチャを意味します。

例えば、颁测产别谤(情报学など)と笔丑测蝉颈肠补濒(工学など)の専门家が、経営学、心理学、芸术系の専门家と协働し问题解决が行えるよう教育を行うこと=専门家の共通言语としてデザイン学を教育することで、社会を変革する専门家を育成します。

※5年一贯の博士课程教育リーディングプログラム「デザイン学大学院连携プログラム」を対外的にオープンにした活动を「京都大学デザインスクール」と通称しています。

「京都大学サマーデザインスクール2015」を彻底レポート!

※イベントは终了しています。

今回広报叠が密着取材した「京都大学サマーデザインスクール」は、京大生のみならず、希望すれば谁でも参加可能な3日间集中型のワークショップ。

复雑な社会の実问题を解决するためのさまざまな切り口=「デザイン」を、京大生だけでなく产学官からの多彩な参加者が协働して挑みます。

今回は、バラエティ豊かな28のテーマがラインナップしました。(详しい実施テーマについては をご覧ください)

どのテーマもおもしろそう! 全部参加したい! のは山々ですが???、広報Bは が担当する「动かない车を活用するデザイン」に密着取材しましたよ。

さて、どんなデザインアイデアがうまれるのでしょうか???!?

第1日目:オープニング&テーマワークスタート

会场は、京都リサーチパーク1号馆アトリウム。ここで、さまざまなアイデアが生まれ、カタチになっていくのです。

初日のオープニングを皮切りに、各グループごとに分かれて早速テーマワークをスタート! 最終日のプレゼンテーションに向けて、このテーマワークが重要なキーポイントとなります。グループによって、講義形式やフィールドワークなど方法はさまざま。

プレゼンテーションは、主にポスタープレゼンと口头プレゼンによって行い、全参加者?実施者?见学者の投票により赏が选ばれます。

会场は京都リサーチパーク1号馆アトリウム。

会場はクリエイティブな熱気でムンムン! 各チームさまざまな手法、プロセスで、3日間ワークショップに取り組みます。

今回広报叠が密着した、チーム平冈をご绍介します。

チーム平冈のテーマは???
「动かない车をデザインする」!

この难题に挑む、チーム平冈のメンバーはこちら!

(右から、大场纪章さん(株式会社テクノバ调査研究部(※共同実施者))、吉村望(工学)、今冈勇仁(工学)、栗原桃香(法学)、平冈助教、久富望(情报学研究科)、守本萌(法学)、水野雅晴(経営管理大学院)、久下敦子さん(株式会社テクノバ调査研究部(※共同実施者)))

そのミッションとは????

▲クリックすると拡大します

课题内容
  • 自动车は、购入してから手放すまでの期间のうち、96%は驻停车されている(10年间で、10万办尘を平均时速20办尘で走行した场合)。その96%の时间は、ほとんど活用されていないのが実态。世の中には驻停车中の自动车であふれている。
  • 一方、灾害时等において驻车中の自动车が、雨风をしのいだり、ラジオを闻いたり、カーナビを地図として利用するなど、被灾者にとって移动手段以外の方法で活用されたことが知られている。 驻停车中の自动车をより活用する方法を再考する価値がありそうだ。
  • さらに、贰痴やハイブリットカーなど大型バッテリーの搭载や、滨颁罢化の进展で通信端末としての位置づけが大きくなっているなど、さまざまな活用のされ方の可能性も出てきている。

このような背景のもと、 平时の驻停车中の自动车や、地震等灾害时の自动车の活用方法について、さまざまな角度からアイデアを考え、その具体的な実装方法を提案してみよう!

3日间のワークショップで、どんなアイデアがカタチになっていくのでしょうか????

第2日目:テーマワーク&プレゼンテーション準备

バトル形式のブレインストーミングからスタート!

今回の「动かない」の定义は、「廃车」と「动くけど止まっている状态」の二つ。

ブレストバトルのお题は、「2020年の动かない车」と「2030年の动かない车」の2回戦。10年の差があるだけでも考え方は変わってきます。科学技术の発展、时代背景の変化など???。それぞれが、それらヒントと自らのアイデアで、バトルに挑みます。

まずはチームごとに20分のブレストから。アイデアのアウトプットから始めるチーム、事前に方向性を描いてから进めるチームと、チームごとに进め方が违うのがおもしろい。

アイデアのアウトプット方法は文字だけでなく、イラストやメカニックな図なども???

車と婚活!? 思いもよらないアイデアが出るわ出るわ???!

チームでのブレスト后は、一人ずつオリジナリティあふれる切り口でプレゼンを行います。

2020年の东京オリンピックで予想される宿泊施设不足问题の対策として廃车を宿に使う案や、灾害时の资材利用、解体して大きな建物にもできる???など、思わずうなるようなアイデアが次々と出てきます。

「婚活」という女子ならではのアイデアにはみんな脱帽!

「婚活」案を力强くプレゼンする森本さん。车と婚活、男子からはなかなか生まれにくいアイデアですよね~。

プレゼンの后は、どちらの案が良かったか、みんなで投票。

このバトルでは「婚活」案が圧胜!

ブレストが息詰まった时には、主催者からの的确なアシストも。

学生の思いもよらない斬新なアイデアに、やられた! と悶絶する平岡先生(笑)。

スイーツ补给でホッと一息。これだけ脳をフル稼働したら、疲れきっちゃうよね???

アイデアの交换と、具体化に向けての検讨

「思考のプロセス」こそが、たまらなくおもしろい!

二回にわたるバトルを終えた後は、今度はアイデアの交換。それぞれのチームから出たアイデアをボードに貼り出し、どういう方法でアイデアを出し合ったか? このアイデアはどういった思考を経て生まれたのか????などを説明し、そのプロセスを共有します。

アイデアを交换、共有し、プレゼンに向けて案を詰めていきます。

车を棺桶に!という栗原さんの案。「赤ちゃんの时はベビーカーだし、最后は车で!」という斩新なプレゼン。まさにゆりかごから墓场まで???。

このアイデアが、まさか、廃车→ボロボロになる→人间もボロボロになる→棺桶、という思考回路を辿って生まれたアイデアだとは。

こうして、ブレストバトルであがったたくさんのアイデアをさらに绞りこんでいきます。

参加者全员が、自由でのびのびした意见を出した上で、それをうまく取捨选択したり组み合わせたりしながら、「自分だけでは决して生み出せないもの」がうまれていく。そのプロセスを间近で见ることが出来るのが、サマーデザインスクールのおもしろさなんです!

プレゼンテーションに向けたアイデアの深化

ある程度、方向性が绞れたところで、明日のプレゼンに向けたアイデアの深化、具现化に取りかかります。

平冈先生から昨年の発表事例を见せてもらい、プレゼンのイメージを膨らませます。

ここからは、先生や主催者は一歩ひいて、参加者たちだけで进めていきます。これまでの笑颜が初めてぴりっとした瞬间。紧张感が出てきましたね!

出たアイデアを、领域ごと、キーワードごとに分ける作业へ。

役割分担はどうする? 見せ方はどうする? まとめ役は誰がする????など、徐々にみんなが一つになって、アイデアがカタチになっていくのがわかります。一人一人が、何か少しでも貢献したいという思いから出てくる細かなアイデアのかけらが、全体の中にうまく溶けていく様子は、見ているだけでワクワク。

さあ、ここからはチームワークの见せどころ!

贵补肠别产辞辞办のグループ(グループ名「动かない」)を作り、情报共有しながら、明日のプレゼンに向けて各自夜を彻して取り组みます。

チーム「动かない」のプレゼン案はこちらに决定!

「车で婚活! ~停车中の车で运命的な出会いができる!?」

「いつもあそこで见かけるあの黄色い车???」。そんな、车をきっかけとした车好きのための婚活だってアリかも!?

「车を旅の宿に! ~动かない车を宿泊スペースに」

きたる2020年の东京オリンピックに予想される宿不足问题。それを解决すべく、廃车を宿泊スペースに活用しちゃおう!

「车でエネルギーを共有! ~停车中の车から电気をもらう」

电気自动车が普及するであろう2030年。停车中の车から电気をもらうこともきっと可能になるはず。灾害时には贵重な电力にも!

「车葬という旅立ち方 ~土に还る车を棺桶に???」

车が死ぬほど好きで、死んでも车と一绪にいたい!という人へ。爱车とともに眠る「车葬」という新しい旅立ち方の提案。

第3日目:プレゼンテーション&投票?表彰式

一夜明けて。プレゼンに向けた最终作业で、会场は朝からドタバタです。

チーム平冈も、それぞれの役割担当を分けて贵补肠别产辞辞办で情报共有しながら、一晩中、準备に取り组んできました。心なしかみんな眠そうです???。
しかし、広报叠は惊きました。みんな一晩でここまで仕上げてきたんですか???!

残り時間あとわずか! 急ピッチでポスターの仕上げ作業!

3日间の取り组みについての説明书きは、车のビジュアルを使ってわかりやすく。

全员で慎重に完成したボードを立ち上げます。気をつけて!

演出用のミニカーは吉村さん浑身の作。细かい演出まで真剣に。

そして???ポスター完成!

ポスターを見ると、その隅々に参加者のアイデアやセンスが埋め込まれ 、それぞれの顔が思い浮かぶ要素が満載。
これぞ、チーム平冈が「みんなで作った」デザインアイデアのカタチ。

ポスタープレゼン&口头プレゼンスタート!

まずは各グループの口头プレゼンから。チーム平冈からは、みんなのご指名で栗原さんがステージに。

ポスタープレゼンスタート。たくさんの方が来场し、参加者からの説明を受けながら、アイデアのカタチに触れていました。

その他、たくさんのデザインが会场を埋め尽くしていました!

「京都観光に不便益な仕掛けのデザイン」。「不便益」と「仕掛学」という二つの学问手法を用いたアイデア。

「プロダクト?デザイナーのアイディア発想法から学ぶ -新しい京みやげを題材として-」。集めてマップになるお店オリジナルの爪楊枝など、すぐにでも商品化しそうなアイデアも。

「Scannable KYOTO/知のエコロジー?新京都学派のサロン -文脈を探索し、文脈をデザインする-」。3日間のフィールドワークで集めたたくさんの写真が印象的でした。

「通勤?通学の「時間の過ごし方」をデザインする 」。毎日の通勤?通学時間が楽しくなるアイデアがいっぱい。

怪しげな人を発见。「バカげた「竹」の使い方をデザインする」のアイデアですね。

「京都のマンションの安心のデザイン:防灾面を中心に」。「4面会议システム」という计画立案手法が会场でも注目されていました。

※各グループの详しい実施内容については 「京都大学サマーデザインスクール2015 実施報告書」 をご参照ください。

リフレクション

プレゼン终了后は、この3日间の取り组みを振り返っての反省と、今后の课题を见出す时间。それぞれ感じたことを付笺に贴っていきます。

「できた/わかった/よかった」、「できなかった/わからなかった/よくなかった」、それぞれに当てはまることを书き出していきます。

ポジティブな点としては、ブレストバトルを体験出来たことや、ポスターの完成度への満足度の高さなどが。ネガティブな点は、役割分担やアイデアを具现化することの难しさなど、詰め作业での反省点が多かったよう。

そして最后には全员に「修了証」を授与されました。みんな3日间よくがんばりました!

表彰式

最优秀赏に选ばれたのは、狈辞.18「文化的な视点の発见と知的好奇心による図鑑」グループ。
後日談ですが、チーム平岡は独創賞と最優秀賞で2位だったそう。 惜しい???!

受赏チームはこちら!

◎独创赏:もっとも独创的な成果を出したテーマ

No.18 「文化的な视点の発见と知的好奇心による図鑑」

◎待望赏:もっとも「是非実现してほしい!」と思われたテーマ

No.24 「老人と滨罢」

◎过程赏:もっともいいプロセスをたどったテーマ

No.02 「京都のマンションの安心のデザイン:防灾面を中心に」

◎最优秀赏:全体の票数がもっとも多かったテーマ

No.18 「文化的な视点の発见と知的好奇心による図鑑」

◎京都市长赏:「京都テーマ」の中でもっともすぐれたテーマ(京都市の协力により选定)

No.07 「卸売市场を核に街の魅力を创出するサービスデザイン」

「京都大学デザイン学」の実は!、いかがでしたか?

何もないところからたくさんのアイデアが生まれて、それがまるで生き物みたいに、膨らんだり広がったりしながら、思いも寄らないカタチになるプロセスは、そばで见ているだけで刺激的でした。

ここで生まれたさまざまなデザインアイデアが、社会を変える大きな力になるかもしれません。

京都大学デザインスクールをもっと知りたい人は、こちらもチェック!

インタビュー動画「Messages from faculty members」

多様なデザインを学问する京都大学デザインスクールでは、分野の枠を飞び越えてデザイン学ユニットに集う教员の中から约20名が、デザイン学を语る动画を一挙公开中。それぞれのデザイン学に対する思いを热く语っています!

※教员名をクリックすると、インタビュー动画にジャンプします。

閲覧にあたってのご注意

閲覧环境によっては、画像や文字が崩れる可能性もあります。その场合は、お手数ですが閲覧环境を変えてご覧いただきますようお愿いいたします。