心臓病における新たな治療法として、iPS細胞などの多能性幹細胞を用いた心臓再生医療が期待されています。升本英利 医学部附属病院特定准教授(兼:理化学研究所上級研究員)、黒田悠規 同博士課程学生らの研究グループは、心筋障害を引き起こしたミニブタの心臓にヒトiPS細胞から作製した心臓組織を移植し、心筋障害に起因する電気信号の伝わりにくさ(伝導障害)が改善されることを確認しました。
本研究グループは、ヒト颈笔厂细胞から诱导した心筋细胞や血管细胞から细胞シートを作製し、动的トレーニング培养を加えることによって、血管构造を持つ「血管化心臓组织」を作製しました。この人工的な心臓组织をブタの心筋伤害モデルに移植し、心表面マッピング法による电気生理学的评価を行うことで、伝导障害の改善効果を実証しました。组织移植群では移植1週间后に心筋障害部位での伝导速度が対照群よりも速くなることが确认されました。组织移植を行ったブタでは、心筋障害部位においてより多くの心筋组织が残存しており、これが伝导障害の改善につながったと考えられます。これらの结果は、颈笔厂细胞を用いた心臓再生医疗の効果における新たな视点での発见であり、再生医疗の発展に寄与することが期待されます。今后は颈笔厂心臓组织のさらなる改良を进め、より长期の観察や心机能改善効果を含めた検讨を行っていく予定です。
本研究成果は、2025年3月17日に、国際学術誌「JTCVS Open」にオンライン掲載されました。

【顿翱滨】
【书誌情报】
Yuki Kuroda, Jun Iida , Kozue Murata , Yuki Hori , Jumpei Kobiki , Kenji Minatoya , Hidetoshi Masumoto (2025). Transplantation of vascularized cardiac microtissue from human iPS cells improves impaired electrical conduction in a porcine myocardial injury model. JTCVS Open.