淺野舜 理学研究科修士課程学生、栁瀬陽一 同教授、成塚政裕 理化学研究所研究員、町田理 同上級研究員、花栗哲郎 同チームリーダーの共同研究チームは、原子レベルの薄さの超伝導体のシートを他の原子シートと積み重ね、さらに結晶軸にひねりを加えることで、超伝導の性質を制御できることを発見しました。
近年、原子数个分の厚さしかないシート状物质の作製が可能になり、関心を集めています。このような原子シートには、金属、磁性体、超伝导体など、さまざまな物性を示す数多くの种类がありますが、复数のシートを积层すると、さらに新しい物性が现れます。积层する际にシートを互いにひねると物性に剧的な変化が现れることがあります。しかし、积层やひねりが电子状态に与える影响、特に超伝导に対する効果は実験的に调べることが难しく、これまでほとんど分かっていませんでした。
今回の研究では、原子シート超伝导体狈产厂别2(二セレン化ニオブ)を炭素原子シートであるグラフェンの上に积み重ねてひねり、超伝导状态がひねりによってどのように変化するのかを走査型トンネル顕微镜法?分光法(厂罢惭/厂罢厂)を用いて详しく调べました。その结果、特定のひねり角において、通常は电子が存在できないエネルギー领域に电子状态が现れ、それが特徴的な空间パターンを示すことを発见しました。电子状态を解析することで、この现象は、それぞれの原子层で运动する电子が、ひねりによって特别な関係を満たしたときに现れることを明らかにしました。これらの成果は、原子シートの超伝导に対する理解を深めるだけでなく、ひねりで超伝导状态を制御するという全く新たな手法につながることが期待されます。
本研究成果は、2025年3月20日に、国際学術誌「Nature Physics」にオンライン掲載されました。

【顿翱滨】
【书誌情报】
Masahiro Naritsuka, Tadashi Machida, Shun Asano, Youichi Yanase, Tetsuo Hanaguri (2025). Superconductivity controlled by twist angle in monolayer NbSe? on graphene. Nature Physics.