エボラウイルス粒子の「中核」构造を解明―痴笔24タンパク质の异なる结合様式がウイルス増殖制御のカギに―

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 野田岳志 医生物学研究所教授(兼:生命科学研究科教授、物質―細胞統合システム拠点連携教授)、藤春(藤田)陽子 同日本学術振興会特別研究員(現:ドイツ?マックスプランク生化学研究所(Max Planck Institute of Biochemistry)博士研究員)、胡上帆 同博士課程学生(現:長崎大学助教)、杉田征彦 白眉センター/医生物学研究所准教授らの研究グループは、髙松由基 長崎大学准教授らと共同で、ウイルスの内部構造を高精度で観察できる最新の電子顕微鏡技術を使用して、エボラウイルスの「中核」をなす生体分子複合体 ヌクレオカプシドの構造を明らかにしました。さらに、ヌクレオカプシド構成タンパク質であるVP24がウイルス増殖を制御する仕組みの一端を明らかにしました。

 エボラウイルスはヒトに致死的な出血热を引き起こします。ウイルスゲノムの合成や子孙ウイルス粒子の形成には、ヌクレオカプシドと呼ばれる巨大な螺旋状のウイルスゲノム-タンパク质复合体が必须ですが、ヌクレオカプシドの各构成タンパク质(狈笔、痴笔24、痴笔35)がどのように集合しヌクレオカプシドを形成するのかは、ほとんど明らかにされていませんでした。本研究グループは、最新のクライオ电子顕微镜法を用いて、エボラウイルス様粒子内部に取り込まれたヌクレオカプシドの详细な构造を明らかにすることに成功しました。

 明らかになった构造から、2分子の痴笔24がそれぞれ异なる配置で2分子の狈笔に结合する一风変わった结合様式を见出しました。さらに痴笔24に変异を导入した机能解析により、それぞれの痴笔24がウイルスゲノムの合成やヌクレオカプシドの细胞内输送など、ウイルス増殖环の异なるステップを调节する「分子スイッチ」として働くことを発见しました。本成果は、エボラウイルスの増殖メカニズムの理解を大きく进めるだけでなく、ウイルスの増殖を阻害する治疗薬の开発に役立つものと期待されます。

 本研究成果は、2025年3月10日に、国際学術誌「Nature Communications」に掲載されました。

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エボラウイルスのヌクレオカプシドがウイルス増殖环の异なるステップを制御する様子の概念図
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野田 岳志
研究者名
杉田 征彦
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【书誌情报】
Yoko Fujita-Fujiharu, Shangfan Hu, Ai Hirabayashi, Yuki Takamatsu, Yen Ni Ng, Kazuya Houri, Yukiko Muramoto, Masahiro Nakano, Yukihiko Sugita, Takeshi Noda (2025). Structural basis for Ebola virus nucleocapsid assembly and function regulated by VP24. Nature Communications, 16, 2171.