芋虫がアリの攻撃を避ける连続曲芸技を発见―饲育容器内で観察してもわからない现象の例―

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 动物を饲うことは、彼らが脱出する自由を夺うことと同じです。饲育する动物を観察すると、本来なら脱出してそこにいない动物の不自然な行动を観察している恐れがあります。农业害虫のコナガの幼虫は、アリなどに攻撃されるとエビのように素早く飞び退くことが知られます。コナガの幼虫とアリを饲育容器の底面で観察すると、幼虫は飞び退いて何度かアリの攻撃をかわしますが、いずれ必ず捕まるので无駄な抵抗に见えます。

 伊藤和也 農学研究科修士課程学生(現:住友化学株式会社研究員)と矢野修一 同助教は、この回避術が餌植物上では大いに役立つことを発見しました。幼虫は居場所に応じて回避術を使い分け、葉の表でアリに会うと飛び退いた後に葉の端から糸でぶら下がり、葉の裏でアリに会うとその場でぶら下がりました。アリはぶら下がった幼虫を追撃できません。コナガの幼虫がアリの攻撃を避ける華麗な連続技をもつことは、彼らが今日までアリとの厳しい攻防を生き延びてきたことを物語ります。

 本研究成果は、2024年10月16日に、国際学術誌「Annals of the Entomological Society of America」にオンライン掲載されました。

文章を入れてください
コナガの幼虫は居场所によってアリを回避するアクロバティックな连続技を使い分ける
研究者のコメント
「本研究は、第一着者の伊藤君が観察を通じて発见し、実験により検証した内容です。大学院生までが受动的な座学に长时间を费やす昨今ですが、まだ谁も発见していない事実を先生が讲义で教えてくれるはずがありませんし、そんな事実が教科书に书いてあるはずもありません。生物学では、自然选択が创り出した身近な自然こそが新しい発见をするための最良の教科书です。座学はほどほどに。」(矢野修一)
研究者情报
研究者名
矢野 修一
书誌情报

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【书誌情报】
Kazuya Ito, Shuichi Yano (2024). Rapid evasive behaviors of diamondback moth larvae against ants. Annals of the Entomological Society of America, 117, 6, 319–322.