糖尿病患者における厳格な血糖?血圧管理の効果が、居住形态によって异なることが明らかに

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 清原貫太 医学部学生、井上浩輔 白眉センター/医学研究科准教授、近藤尚己 医学研究科教授、石見拓 同教授らの研究グループは、糖尿病領域の大規模ランダム化比較試験のデータを用いて、糖尿病患者における厳格な血糖?血圧管理の治療効果が居住形態(独居か否か)によって異なることを明らかにしました。

 これまでの研究により、心血管疾患(颁痴顿)の発症には居住形态をはじめとした社会的要因が関与していることが指摘されてきました。井上教授らが2022年に発表した研究では、非糖尿病患者において厳格な血圧コントロールの治疗効果が居住形态(独居か否か)によって异なることが示されました。一方、糖尿病患者に対するエビデンスは皆无であり、とりわけ厳格な血糖管理?血圧管理の両方が施行された际に居住形态がどの程度影响するかについては明らかになっていませんでした。そこで本研究では、础颁颁翱搁顿-叠笔试験というランダム化比较试験の参加者を対象とし、糖尿病患者において厳格な血糖?血圧コントロールの治疗効果が居住形态によって异なるかを検讨しました。その结果、他者と暮らす患者では、标準治疗を行った场合と比较して厳格な血糖?血圧管理を行った场合の颁痴顿発症リスクが0.65倍であった一方で、独居患者では、厳格な治疗と标準治疗の间で颁痴顿発症リスクに违いが认められませんでした。

 本研究结果は、糖尿病患者の治疗において、临床的な情报のみならず居住形态など社会的要因にも着目する必要を示唆します。また、居住环境は国や地域の文化と强く结びついているため、米国のデータで得られた本知见が日本にどの程度一般化できるかについては、さらなる研究による検讨が求められます。

 本研究成果は、2024年6月27日に、国際学術誌「Journal of American Heart Association」に掲載されました。

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他者と暮らす患者では、標準治療を行った場合と比較して厳格な血糖?血圧管理を行った場合のCVD発症リスクがハザード比0.65と低いことが示された。一方で、独居患者では、厳格な治療と標準治療の間でCVD発症リスクに違いが認められなかった(ハザード比 0.96)。
研究者のコメント
「本研究は、清原(笔头着者)が医学生として病院実习を行う中で、家族や社会の支えなしでは、治疗やケアが十分に成立しないと感じ、居住形态が治疗効果に与える影响に兴味を持ったことから始まりました。本研究の结果を通じて、居住形态などの社会的背景を考虑した治疗が広まることを愿っています。」
研究者情报
研究者名
井上 浩輔
研究者名
近藤 尚己
研究者名
石見 拓
书誌情报

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【书誌情报】
Kanta Kiyohara, Naoki Kondo, Taku Iwami, Yuichiro Yano, Akira Nishiyama, Koichi Node, Nobuya Inagaki, O. Kenrik Duru, Kosuke Inoue (2024). Heterogeneous Effects of Intensive Glycemic and Blood Pressure on Cardiovascular Events Among Diabetes by Living Arrangements. Journal of American Heart Association, 13, 13, e033860.