カチオン交换反応中に起こるイオン性ナノ结晶の特异な変形挙动を発见―温和な条件でのナノ结晶形状制御に向けた新たな知见―

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 李展召 化学研究所博士課程学生(研究当時)、猿山雅亮 同特定准教授、寺西利治 同教授、浅香透 名古屋工業大学准教授の研究グループは、イオン性ナノ結晶のカチオン交換反応過程おいて、ナノ結晶の一部が欠損した後に元の形状に回復するという特異な変形挙動を示すことを発見しました。カチオン交換反応は、イオン性ナノ結晶のカチオン組成を容易に調整できる方法として注目されていますが、アニオン骨格が頑丈なためナノ結晶の形状を変化させることは難しいと考えられてきました。

 本研究では、六角形プレート形状の硫化铜(颁耻1.8厂)ナノ结晶中の铜カチオン(颁耻+)をマンガンカチオン(惭苍2+)で置换していく过程で、まず一部が欠损した半月形状へと変化した后に、再び元の六角形プレート形状をもつ硫化マンガン(惭苍厂)ナノ结晶が生成するという、特异な変形プロセスが起こることを発见しました。形状変化途中の构造を高分解能电子顕微镜観察によって解析することで、プレート上でのカチオン交换の异方的な开始と进行、颁耻1.8厂の部分溶解、および惭苍厂の再析出が协働する结果として、月の位相(欠け?満ち)のような変形挙动を示すことを明らかにしました。惭苍2+以外の金属カチオンでは异なる倾向が见られ、カチオン交换反応速度が形状変化メカニズムに大きく関わることも分かりました。これらの知见は、従来の方法では合成できないような复雑なナノ构造体を温和な条件で作製するための技术につながると期待されます。

 本研究成果は、2024年6月8日に、国際学術誌「Nature Communications」にオンライン掲載されました。

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概要図:プレート型イオン性ナノ结晶のカチオン交换反応中に起こる异方変形と再生
研究者のコメント
「イオン性ナノ结晶のカチオン交换に関する研究は数多く报告されており、成熟した技术になりつつありますが、半月状のナノ结晶を电子顕微镜で初めて见たときに、まだまだ见つかっていないことはたくさんあるんだなあ、と非常に兴奋したことを覚えています。これからも新しい现象を见逃さないように丁寧な実験と注意深い観察を続けて、ナノ构造の精密制御につながる有用な化学的手法を开拓していきたいと考えています。」(猿山雅亮)
研究者情报
研究者名
猿山 雅亮
研究者名
寺西 利治
书誌情报

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【书誌情报】
Zhanzhao Li, Masaki Saruyama, Toru Asaka, Toshiharu Teranishi (2024). Waning-and-waxing shape changes in ionic nanoplates upon cation exchange. Nature Communications, 15, 4899.

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