歪みが引き起こす反强磁性マグノンスピンホール効果を予言―2次元ファンデルワールス反强磁性体の新たな磁気测定手法として期待―

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 佐野涼太郎 理学研究科博士課程学生(日本学術振興会特別研究員)、松尾衛 中国科学院大学准教授、および大湊友也 同博士研究員(現:早稲田大学講師)らの研究グループは、2次元ファンデルワールス反強磁性体に対する新たな磁気測定手法として、外部から制御された歪みが引き起こすマグノンスピン流が有効であることを理論的に予言しました。

 近年、次世代コンピューティングや情报処理技术の新たな候补として、これまで利用されてきた电子に代わり、磁性体中のマグノンが情报担体として検讨され始めています。特に、最近実现されつつある2次元磁性体は将来のエレクトロニクスを支える新たな候补物质として有望视されていますが、その次元性に由来して测定手法に制约があることが大きな课题となっていました。そこで本研究では、「2次元物质は外から曲げやすい」という性质に着目することにより、この问题を解决する指针を与えることに成功しました。同时に本成果は、これまで応用が难しいとされてきた反强磁性体における新たなスピン流生成のメカニズムを解明したものであり、今后の反强磁性体を活用した次世代エレクトロニクスの実现へと繋がることが期待されます。

 本研究成果は、2024年6月5日に、国際学術誌「Physical Review Letters」にオンライン掲載されました。

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外部から歪みを加えることにより、反强磁性体中の二种类のマグノン(赤と青)が互いに逆方向に流れるため、正味のマグノンスピン流が垂直方向に発生する(ホール効果)。
书誌情报

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【书誌情报】
Ryotaro Sano, Yuya Ominato, Mamoru Matsuo (2024). Acoustomagnonic Spin Hall Effect in Honeycomb Antiferromagnets. Physical Review Letters, 132, 23, 236302.