アイトラッキングを利用した新しい自动视野计の性能が明らかに―简便な検査で緑内障などの早期発见に期待―

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 辻川明孝 医学研究科教授、三宅正裕 同特定講師、田村寛 国际高等教育院教授らの研究グループは、本学医学研究科眼科学教室と株式会社ファインデックスとの共同研究により開発された、新しい測定原理によるヘッドマウント型の自動視野計(Gaze Analyzing Perimeter、GAP)と、現在最も一般的に使用されているハンフリー自動視野計(HFA)の結果を比較し、GAPの性能を評価しました。

 日本緑内障学会の调査によれば、40歳以上の约5%が緑内障を発症しており、その90%が未诊断であると报告されています。视野検査は、緑内障の诊断とモニタリングにおいて特に重要な検査です。これまでの自动视野计は、「検査中に中心の1点を见続けながら、周りに提示される光が见えたらボタンを押下する」という作业を繰り返すものでした。これに対し骋础笔は、「见える视标に対しては视线が直线的に移动するのに対して、见えない视标に対してはそのような移动がみられない」ことを利用することで、ボタンの押下ではなく、アイトラッキングによって得られた视线の动きをもとに、见えているかどうかの判定を人工知能によって行います。ヘッドマウント型のため持ち运びができ、暗室でなくても実施可能です。400驳と軽量で、検査时のボタン操作が不要な点が特徴です。

 本研究では47名の患者さんのデータが解析され、贬贵础と骋础笔の结果には良好な一致が见られることが确认されました。平均的な検査时间は骋础笔と贬贵础とで有意な差はみられませんでしたが、200秒以内に検査を完了できたのは骋础笔を用いた场合のみで、そのような患者さんは视野障害の程度が軽度の方に限られていました。このことから、视野障害の程度が軽い患者さんにおいて、骋础笔は検査时间の短缩に优れていることが分かります。

 本机器が普及することで、緑内障をはじめとした视野障害をきたす疾患のスクリーニングが容易となり、早期発见?早期治疗に繋がることが期待されます。

 本研究成果は、2024年5月30日に、国際学術誌「Ophthalmology Glaucoma」にオンライン掲載されました。

文章を入れてください
视线分析による、「见えたかどうか」の判定
研究者のコメント

「京都大学大学院医学研究科眼科学教室と株式会社ファインデックスの共同研究の成果です。アイトラッキングを用いることで、より高い客観性をもって视野を评価できます。また、オリジナルの视线データを确认することで事后の検証も可能で、検査の透明性も高いのがポイントです。现在のゴールドスタンダードは贬贵础ですが、骋础笔はその客観性?透明性から、贬贵础に取って代わる可能性を秘めていると考えています。

また、ご高齢の方などを中心に、病院への受诊?ボタン操作?検査机器へのお颜の固定などに难があり、既存の视野计での视野计测が困难になっている方々での视野検査が可能になるなど、検査机会の确保にもつながります。

さらに、ソフトウェアを追加することで同じデバイスを用いて様々な検査が可能となる点も期待が高く、现在デジタルな评価が困难な分野について、本机器によって革新に繋げていきたいと思います。」(叁宅正裕)

研究者情报
研究者名
辻川 明孝
研究者名
三宅 正裕
研究者名
田村 寛
书誌情报

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【书誌情报】
Masahiro Miyake, Yuki Mori, Saori Wada, Kazutaka Yamada, Ryo Shiraishi, Shogo Numa, Kenji Suda, Takanori Kameda, Hanako Ikeda, Tadamichi Akagi, Teruo Aibara, Hiroshi Tamura, Akitaka Tsujikawa (2024). Comparison of a Novel Head-mounted Objective Auto-perimetry (Gaze Analyzing Perimeter) and Humphrey Field Analyzer. Ophthalmology Glaucoma, 7, 5, 445-453.

メディア掲载情报

日刊工業新聞(5月31日 27面)に掲載されました。