浅場智也 理学研究科特定准教授、成塚政裕 同博士課程学生(研究当時)、淺枝寛人 同修士課程学生(研究当時)、小菅優揮 同修士課程学生(研究当時)、池森駿 同修士課程学生、末次祥大 同助教、笠原裕一 同准教授(現:九州大学教授)、幸坂祐生 同教授、寺嶋孝仁 同教授、大同暁人 同助教、柳瀬陽一 同教授、松田祐司 同教授の研究グループは、3種類の希土類化合物を積層構造させた三色人工超格子においてらせん型超伝導状態が実現している証拠を発見しました。
超伝导は电子が対を组むことによって生じますが、通常の超伝导体では电子対の重心运动量はゼロとなっています。これに対し、らせん型超伝导は电子対が有限运动量を持つ特殊な状态です。しかし、その直接的な証拠はこれまで见つかっていませんでした。本研究グループは、らせん型超伝导状态を実现?観测するために、希土类化合物を原子数层ずつ积层させた人工超格子构造を作製し、非相反伝导と呼ばれる现象を调べました。その结果、低温?高磁场领域において、超伝导电子対が有限の运动量を持った状态が起こっている直接的な証拠を発见しました。本研究は、これまで自然界に存在することが知られていなかった新しい超伝导状态を人工的に作り出し、さらにその検出にも成功したという大きな意义を持つことから、今后の新しい超伝导状态の発见につながるものです。
本研究成果は、2024年5月8日に、国際学術誌「Nature Communications」に掲載されました。

「本研究で扱った希土类超格子は、世界でも本研究グループ以外には报告例がない、最先端の技术が駆使された试料です。しかし、そのような试料を使っても、らせん型超伝导状态のような特殊な状态の観测は难航していました。そんな难しい状况が、理论的な提案によって一気に进行したのは印象的で、実験と理论の协力が研究の発展には欠かせないのだと改めて感じさせられます。」(浅场智也)
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【书誌情报】
T. Asaba, M. Naritsuka, H. Asaeda, Y. Kosuge, S. Ikemori, S. Suetsugu, Y. Kasahara, Y. Kohsaka, T. Terashima, A. Daido, Y. Yanase, Y. Matsuda (2024). Evidence for a finite-momentum Cooper pair in tricolor d-wave superconducting superlattices. Nature Communications, 15, 3861.