山尾僚 生态学研究センター教授と大野美涼 岩手大学博士課程学生(研究当時)は、世界各地の樹木の送粉様式、種子散布様式、菌根共生のタイプについて699種または10475種からなる2つのデータベースを作成し、送粉共生、種子散布共生、菌根共生が互いに関わり合いながら進化している可能性を示しました。
送粉共生、种子散布共生、菌根共生は、それぞれが植物の多様化や陆上生态系の构筑に重要な役割を果たしてきたことが知られているにもかかわらず、それらの进化的な関わり合いについては明らかにされていませんでした。本研究では、树木における送粉様式(动物媒?风媒)、种子散布様式(动物散布?风散布?重力散布)、菌根共生のタイプ(础惭?贰肠惭)の関係性について、树木の系统関係を考虑した解析を実施しました。その结果、送粉共生、种子散布共生、菌根共生は互いに関连して进化(相関进化)していることがわかりました。础惭と共生する树种は、送粉?种子散布ともに动物媒を示す种が多く、贰肠惭と共生する树种は、送粉は风媒、种子散布は重力または风散布を示す种が多いことが明らかになりました。また、送粉?种子散布様式ごとの分散距离の违いと、菌根共生のタイプ间における植物―土壌フィードバック効果の违いに着目することで、3つの共生関係の相関进化の背景にある仕组みを推察しました。これらの研究成果は、树木の多様化や森林生态系の形成过程を纽解く新たな糸口になることが期待されます。
本研究成果は、2024年5月10日に、国際学術誌「New Phytologist」に掲載されました。

「この研究は、森林で树木を観察中に抱いたちょっとした疑问と気づきをきっかけに始まりました。今回明らかになった树木における送粉共生、种子散布共生、菌根共生の相関进化は、森林に生息する様々な生物の进化や生态にも影响を及ぼしているかもしれません。実験的な検証などを通じてその影响を明らかにしていくことで、生态系が発展してきた歴史をも纽解くことができると考えています。今后も植物や动物を観察した际の何気ない疑问に向き合いながら、研究を展开していきたいと思います。」
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【书誌情报】
Akira Yamawo, Misuzu Ohno (2024). Joint evolution of mutualistic interactions, pollination, seed dispersal mutualism, and mycorrhizal symbiosis in trees. New Phytologist.