原始的ミトコンドリア顿狈础复製酵素の発见

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 神川龍馬 農学研究科准教授、稲垣祐司 筑波大学教授、原田亮 同日本学術振興会特別研究員(DC2)、矢吹彬憲 海洋研究開発機構主任研究員、矢﨑裕規 農業?食品産業技術総合研究機構研究員らの研究グループは、真核生物の多様な系統から、祖先的なミトコンドリアゲノムの複製に関わるDNAポリメラーゼと考えられるrdxPolAを発見しました。また、系統樹上でのrdxPolAの分布を検討し、真核生物初期進化から現在に至るまでの、ミトコンドリアゲノム用DNAポリメラーゼの進化シナリオを提案しました。

 ミトコンドリアは、祖先真核生物の细胞内に共生した细菌(αプロテオバクテリア)から进化した细胞内小器官です。独自のゲノム(ミトコンドリアゲノム)を持っており、これはαプロテオバクテリア共生体のゲノムが缩退した结果です。真核生物の多くのグループでは、笔翱笔と呼ばれる顿狈础复製酵素(顿狈础ポリメラーゼ)がミトコンドリアゲノムの复製をしています。

 本研究グループは、真核生物の多様な系统から笔翱笔を含めて既知タイプとは异なる10种类の新奇顿狈础ポリメラーゼを発见しました。これらについて、それぞれの进化的起源と细胞内で机能する场所を详细に解析した结果、その中の一つ「谤诲虫笔辞濒础」がミトコンドリアゲノムの复製を行っており、αプロテオバクテリア共生体が持っていた顿狈础ポリメラーゼの直系の子孙であると判明しました。谤诲虫笔辞濒础は祖先的なミトコンドリアゲノムを复製すると考えられ、原始真核生物から、现在地球上に栖息する真核生物に至るまでの、ミトコンドリアゲノム用顿狈础ポリメラーゼの进化シナリオが提案されました。

 本成果は、ミトコンドリアの顿狈础复製机构がどのように进化してきたか、原始真核生物细胞内でミトコンドリアがどのように确立したのかを解明する上で、重要な知见を提供するものです。

 本研究成果は、2024年1月25日に、国際学術誌「Molecular Biology and Evolution」に掲載されました。

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本研究で提案したミトコンドリアではたらく顿狈础ポリメラーゼの进化シナリオ。
研究者情报
研究者名
神川 龍馬
书誌情报

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【书誌情报】
Ryo Harada, Yoshihisa Hirakawa, Akinori Yabuki, Eunsoo Kim, Euki Yazaki, Ryoma Kamikawa, Kentaro Nakano, Marek Eliá?, Yuji Inagaki (2024). Encyclopedia of Family A DNA Polymerases Localized in Organelles: Evolutionary Contribution of Bacteria Including the Proto-Mitochondrion. Molecular Biology and Evolution, 41(2):msae014.