北村泰晟 理学研究科博士課程学生、大同暁人 同助教、柳瀬陽一 同教授らの研究グループは、物質が持つ量子幾何学効果に起因してスピン三重項超伝導が発現することを明らかにしました。
スピン叁重项超伝导は超伝导の标準理论である叠颁厂理论では説明できない非従来型超伝导であり、高磁场领域で安定である、量子コンピュータへの応用が可能であるなど、多岐にわたる特徴的な性质を示すことが知られています。しかし、魅力的な性质を持つ反面、スピン叁重项超伝导の候补物质は非常に少ないため、新たな候补物质の探索が求められています。本研究では、物质の量子几何学効果が诱起する引力相互作用がスピン叁重项超伝导を安定化させる、新规な超伝导の発现机构を明らかにしました。また、この発现机构が働く物质が持つべき条件を特定し、スピン叁重项超伝导体探索のための指针を提案しました。これにより、新たなスピン叁重项超伝导体の発见が期待されます。
本研究成果は、2024年1月18日に、国際学術誌「Physical Review Letters」に掲載されました。

「磁石は方位磁针に使われるように、古くから常に身の回りに存在します。一方で、谁もが自然に持つ『鉄はなぜ磁石になるのか』という疑问は、量子力学を用いなければ答えることはできません。そして、そのような単纯な疑问を解き明かしていくと、それは意外なことにスピン叁重项超伝导の理解に繋がっています。幼い顷にいだいた疑问が最先端の研究に辿り着くのですから、なんとなく格好の良いことをしていると、嬉しくなります。」(北村泰晟)
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【书誌情报】
Taisei Kitamura, Akito Daido, Youichi Yanase (2024). Spin-Triplet Superconductivity from Quantum-Geometry-Induced Ferromagnetic Fluctuation. Physical Review Letters, 132(3):036001.