近年、数千种类のタンパク质を、同时に、迅速に测定できるプロテオミクス解析が患者さんの病态を把握する手段として、さまざまな疾患で注目されています。しかし、パーキンソン病においては、プロテオミクス解析をどのように応用すれば良いのか、プロテオミクス解析でどのような有用な情报が得られるのか、全く不明でした。
今回、月田和人 医学研究科特任助教(兼:帝京大学特任研究員、関西電力医学研究所特任研究員)、高橋良輔 同教授らの研究グループは、国際多施設共同観察研究のデータを用いて、脳脊髄液のプロテオミクス解析と機械学習を融合し、パーキンソン病に特異的な変化のパターン(パーキンソン病シグネチャー)を同定し、そのパターンを点数(パーキンソン病プロテオミクススコア)として定量化することに成功しました。さらに、そのパーキンソン病プロテオミクススコアがパーキンソン病の診断に有用であるのみならず、予後に強く相関することを見出しました。
本研究成果は、パーキンソン病を始めとした神経変性疾患のプロテオミクス解析の临床応用の第一歩になると考えられ、个々の患者さんの病态把握にも役立つと考えられます。
本研究成果は、2023年8月16日に、国际学术誌「狈别耻谤辞濒辞驳测」にオンライン掲载されました。

「パーキンソン病を克服する、これは、患者さんと我々医疗関係者共通の愿いです。しかし、一口にパーキンソン病と言っても、さまざまな患者さんがおられ、一筋縄ではいきません。そのため、それぞれのパーキンソン病患者さんの病态を的确に判断し、うまく介入をして、疾患修饰し、克服していく、というところが不可欠です。本研究が、パーキンソン病患者さんの层别化に寄与し、ひいては、疾患修饰につながると信じています。」(月田和人)
【顿翱滨】
【书誌情报】
Kazuto Tsukita, Haruhi Sakamaki-Tsukita, Sergio Kaiser, Luqing Zhang, Mirko Messa, Pablo Serrano-Fernandez, Ryosuke Takahashi (2023). High-Throughput CSF Proteomics and Machine Learning to Identify Proteomic Signatures for Parkinson Disease Development and Progression. Neurology, 101(14), e1434-e1447.