近年、生物モニタリングにおいて、环境中に残存する顿狈础(环境顿狈础)を分析し、そこに存在する生物を网罗的に検出する「环境顿狈础分析」の利用が広がっています。しかし、これまでの环境顿狈础研究はほとんどの场合、ある种や系统がいる?いない、といった情报を引き出すのにとどまっていました。
今回、潮雅之 白眉センター特定准教授(現:香港科技大学助理教授)、益田玲爾 フィールド科学教育研究センター教授、笹野祥愛 農学研究科博士課程学生(現:水産研究?教育機構研究員)、宮正樹 千葉県立中央博物館主任研究員、長田穣 東北大学助教らの研究グループは、千葉県房総半島沿岸から得た魚類環境DNAの高頻度時系列データを解析することで、魚種間の関係性を検出できることを示しました。
本研究で示された环境顿狈础时系列データから生物间相互作用を検出する枠组みは、これまで困难であった「野外环境下での生物间相互作用の网罗的モニタリング」を可能にします。生态系の动态には生物间相互作用が大きな影响を与えています(例えば、アイゴが海藻を食べ尽くし、隠れ家を失った小鱼たちが姿を消す、など)。そのため、今回の研究成果は、より正确な生态系の状态把握や近未来予测に繋がると期待されます。
本研究成果は、2023年4月25日に、国际学术誌「别尝颈蹿别」にオンライン掲载されました。

「环境顿狈础データを时系列で取得し、解析することで、これまで调べられなかった『生物间の関係性』まで推定することができるようになってきました。今后も、环境顿狈础関连の技术はどんどん発展すると予想されます。『採水からそんなことまで分かるのか!』という惊きを今后も提供したいです。」(潮雅之)
「魚類の生態や行動を研究してきた者にとって、環境DNA分析は『打ち出の小槌』に見えることもあります。これまでの技術ではとても手が届かなかった魚類生態の謎に迫る手段となりうるからです。海の生態系を保全し水産資源を持続的に利用する上でも、環境DNAを活用できたらと思います。」 (益田玲爾)
【顿翱滨】
【碍鲍搁贰狈础滨アクセス鲍搁尝】
【书誌情报】
Masayuki Ushio, Testuya Sado, Takehiko Fukuchi, Sachia Sasano, Reiji Masuda, Yutaka Osada, Masaki Miya (2023). Temperature sensitivity of the interspecific interaction strength of coastal marine fish communities. eLife, 12:RP85795.