ベリリウム(叠别)は原子番号4番の軽金属で、高融点、高刚性、高热伝导など优れた性能をもっていることが知られており、将来的な非炭素电源として期待される核融合炉では、燃料生产の効率化のためにベリリウムを主成分とする金属间化合物が使われます。
向井啓祐 エネルギー理工学研究所助教、笠田竜太 東北大学教授、金宰煥 量子科学技術研究開発機構博士、中道勝 同博士らの共同研究グループは、軽元素のベリリウム(Be)を主成分とする金属間化合物の空孔生成や水素固溶に相関を持つ電子的記述子を明らかにしました。
材料を効率的に探索する手法として、近年マテリアルズインフォマティクスが注目を集めています。材料探索において材料の特性と强い相関を持った记述子が重要となりますが、軽元素を主成分とする叠别の化合物に対して有効な记述子はこれまでに明らかにされていませんでした。本研究では叠别金属间化合物42种を対象に密度汎関数理论に基づく第一原理计算を実施し、空孔生成や水素固溶に相関を持つ记述子を探索しました。この结果、占有pバンド中心がこれらの特性と强い相関を持つことを明らかにし、本记述子は高い精度で実験的に评価できることを示しました。本研究成果から、情报駆动型の材料开発により、目的の物性と资源量のバランスを考えた材料设计を行うことで、核融合用のベリリウム机能材料の开発を加速させられると期待されます。今后の研究では様々な物性と强く関连した记述子の探索を进め、高机能なベリリウム化合物の开発に贡献したいと考えています。
本研究成果は、2022年10月13日に、国際学術誌「Acta Materialia」にオンライン掲載されました。

研究者のコメント
「「水兵リーベ???」と覚えた周期表の4番目に现れるベリリウム(叠别)。一度は名前を耳にしたことがあっても何に使われるのかあまり知られていない、そんなマイナーな元素ではないでしょうか。电子を4つしか持たない(d电子を持たない)ベリリウムの化合物の特性がどのような记述子によって支配されているのか?そんな疑问を持ったことから本研究はスタートしました。グリーントランスフォーメーション(骋齿)に向けた核融合开発において、本研究で报告された电子的记述子が有望な材料の探索や実験结果の解釈に役に立つことを愿っています。」(向井启祐)
【顿翱滨】
【碍鲍搁贰狈础滨アクセス鲍搁尝】
【书誌情报】
Keisuke Mukai, Ryuta Kasada, Jae-Hwan Kim, Masaru Nakamichi (2022). Electronic descriptors for vacancy formation and hydrogen solution in Be-rich intermetallics. Acta Materialia, 241:118428.
日刊工業新聞(10月25日 27面)に掲載されました。