トンガの大规模喷火が引き起こした特殊な大気波动「ペケリス波」を発见―85年前に提唱されていた共鸣振动の実在を証明―

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 坂崎貴俊 理学研究科准教授、渡辺真吾 海洋研究開発機構センター長代理、中野満寿男 同研究員、Kevin Hamilton ハワイ大学名誉教授は、2022年1月15日に生じたフンガ?トンガ=フンガ?ハアパイ火山の大規模噴火(以下「トンガの大規模火山噴火」という。)が、過去85年間にわたってその存在が明らかにされることがなかった特殊な大気波動(本研究チームは「ペケリス波」と呼ぶことを提案しています:以下「ペケリス波」と表記)を引き起こしていたことを発見しました。

 このペケリス波は、1937年にペケリス博士が理论的に导き出した地球大気に固有の共鸣振动ですが、実际に存在するか否かは気象力学における长年の疑问でした。

 本研究では、トンガの大规模火山喷火から12时间程度の间に気象卫星「ひまわり8号」が観测した辉度温度データを解析し、火山から同心円状に音速程度(约315尘蝉-1)で远ざかるラム波と一绪に、その8割ほどの速さ(约245尘蝉-1)で远ざかるペケリス波を発见しました。また、高解像度全中性大気モデルで火山喷火を模した数値シミュレーションを行った结果、ラム波とペケリス波、各々の理论计算と整合した铅直构造を持った圧力変动が、「ひまわり8号」で観测されたのと同じ速さで太平洋上を広がる様子が再现されました。さらに、「ソラテナ」気圧计アレイのデータによって、日本を横断していったラム波とペケリス波の水平构造や気圧パルスの时间変化が明瞭に捉えられ、それらがシミュレーション结果と一致することを示しました。

 本研究の成果は、気象力学における歴史的な発见という意义を持つだけでなく、ペケリス波が、海面における大気と海洋の共鸣现象による大きな海面変动「気象津波」を引き起こしていた可能性を示唆します。今后は海洋モデルと本研究のシミュレーション结果を组み合わせて、そうした可能性を调査し、沿岸防灾に资する科学的知见を得る计画です。

 本研究成果は、2022年9月12日に、「Journal of the Atmospheric Sciences」に掲載されました。

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図:ひまわり8号が観测した9.6μ尘辉度温度の10分差を喷火后约4时间の时点でプロットしたもの(2022年1月15日08时40分?08时30分の差、时刻は世界时)
研究者情报
研究者名
坂崎 貴俊
メディア掲载情报

【顿翱滨】

【书誌事项】
Shingo Watanabe, Kevin Hamilton, Takatoshi Sakazaki, Masuo Nakano (2022). First Detection of the Pekeris Internal Global Atmospheric Resonance: Evidence from the 2022 Tonga Eruption and from Global Reanalysis Data. Journal of the Atmospheric Sciences, 79(11), 3027–3043.