てんかんは、100人に1人(世界中に约5千万人の患者がいる)のあらゆる年代に起こる一般的な脳の病気です。てんかんは脳にある神経细胞やグリア细胞の异常によりてんかん発作を起こします。てんかんを持つ患者の身体面?心理面?社会面における直接的なてんかん発作の影响は、临床现场での课题です。
脳内の特定のてんかん焦点から起こるてんかん発作に対して、抗発作薬の内服治療で発作が抑制されない場合、外科治療が有効な場合が多くあります。外科治療で発作を抑制できるかは、いかに正確にてんかん焦点を定められるかが重要です。池田昭夫 医学研究科教授、小林勝哉 同助教、中谷光良 同博士課程学生(現:順天堂大学)、前原健寿 東京医科歯科大学教授と、岩崎真樹 国立精神?神経医療研究センター部長らの共同研究グループは国内の主要てんかんセンター5施設の国内多施設共同研究として、61名の難治てんかん患者の脳内から直接記録した発作時脳波データを収集解析し、「発作時DC電位」という新しいバイオマーカーの脳波変化の領域を切除して発作消失?減少の程度との関係を検証しました。
本研究では特に、新しいバイオマーカーの脳波変化として、本学で长年研究されてきた「発作时顿颁电位」と呼ばれる非常にゆっくりした発作时脳波変动に注目しました。その结果、この「発作时顿颁电位」は、従前の脳波记録方法による発作起始部位より明确かつ早期から认め、さらに最近注目される超高周波の律动である「発作时贬贵翱」よりも明らかに先行することを多施设の大规模データとして示しました。また、「発作时顿颁电位」の主要発生源の「中核领域」の外科切除が良好な発作抑制をもたらすことを明らかにしました。今后、従前の脳波活动に加えて、新しいバイオマーカーの「発作时顿颁电位」を解析することで、外科治疗の成绩向上につながると考えられます。また、これまでの基础研究と病理研究では、「発作时顿颁电位」は脳内のアストロサイト群の异常が细胞外カリウム浓度のホメオスタシス机能の破绽を起こし発现することが报告されていてそれに合致し、今回の研究成果によりてんかんの病因?増悪机构や最适な治疗法の解明が期待されます。
本研究成果は、2022年9月4日に、国際学術誌「Brain Communications」にオンライン掲載されました。

研究者のコメント
「本研究は国内5箇所の大学病院?てんかんセンターでの多施设共同研究として、61名のてんかん患者のてんかん発作时头盖内脳波を解析しました。特に、京都大学で长年研究されてきた「発作时顿颁电位」と呼ばれる非常にゆっくりした脳波変动に注目しました。过去の京都大学単施设での検讨では、「発作时顿颁电位」の出现が「発作时贬贵翱」に时间的に先行することを报告しておりましたが、今回多数例で「発作时顿颁电位」の高い出现率と発作时に最も早期に出现する脳活动であることを検証できて、今后のてんかん诊疗において非常に重要と考えております。また、杰出した「発作时顿颁电位」が出现する「中核领域」を外科治疗で切除し良好な発作抑制结果につながることが明らかになり、手术で切除する必要がある范囲を决定するための新たな判断指标として活用していくことで、今后のてんかん外科治疗のさらなる成绩向上が期待されます。「発作时顿颁电位」はアストロサイトの机能异常を反映し、これに后続する神経细胞による速活动の「発作时贬贵翱」とは出现部位が一部异なり、今后のてんかん病因や难治化机序の解明となると考えます。」(池田昭夫)
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【书誌情报】
Mitsuyoshi Nakatani, Morito Inouchi, Masako Daifu-Kobayashi, Tomohiko Murai, Jumpei Togawa, Shunsuke Kajikawa, Katsuya Kobayashi, Takefumi Hitomi, Takeharu Kunieda, Satoka Hashimoto, Motoki Inaji, Hiroshi Shirozu, Kyoko Kanazawa, Masaki Iwasaki, Naotaka Usui, Yushi Inoue, Taketoshi Maehara, Akio Ikeda (2022). Ictal direct current shifts contribute to defining the core ictal focus in epilepsy surgery. Brain Communications, 4(5):fcac222.