琵琶湖から现生カワニナの3新种を発见―古代湖における巻贝の种多様性を再评価―

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 日本の中央に位置する琵琶湖で爆発的な种の多様化を遂げた淡水性巻贝のカワニナ属は、各种が湖内の様々な环境に适応しています。ヤマトカワニナはその中で最も古く1876年に记载されました。琵琶湖の岩场に広く分布するヤマトカワニナには、成贝殻の表面に存在する彫刻の形や大きさが异なる型(地理的変异)が知られていました。

 澤田直人 理学研究科博士課程学生、福家悠介 同博士課程学生の研究グループは、集団遺伝解析と形態解析、さらに記載時に用いられたタイプ標本の検討によって、これまでヤマトカワニナと考えられていた種の中に、3種の学名がついていない未記載種が含まれることを明らかにしました。そしてこれらを新種トキタマカワニナ、チクブカワニナおよびコンペイトウカワニナとして記載し、ヤマトカワニナとその近縁種クロカワニナとともに、種の定義、識別点、分布域を明確化しました。これら5種は琵琶湖の岩場に適応した種であると考えられ、粗い顆粒や縦方向の彫刻を有する黒っぽい成貝殻や太い色帯を持つ胎児殻、歯の先端が平たい歯舌によって特徴づけられます。本研究成果によりカワニナ属の分類学的問題の一端が解決され、琵琶湖のカワニナ属の種多様性や進化、種間の相互作用に関する知見が更新されました。

 本研究成果は、2022年8月22日に、比較動物学の国際学術誌「Contributions to Zoology」にオンライン掲載されました。

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左からヤマトカワニナ、クロカワニナ、トキタマカワニナ、チクブカワニナ、コンペイトウカワニナ。上段が成贝殻、下段が胎児殻。

研究者のコメント

「琵琶湖のカワニナ属は未解决の分类学的问题に加え、その种多様性の创出や种间の相互作用に関する兴味深い问题を提示してくれます。着者らは今后も様々な方面からカワニナ属が抱える难问の解明に挑みたいと考えています。」(泽田直人)

书誌情报

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【书誌情报】
Naoto Sawada, Yusuke Fuke (2023). Diversification in ancient Lake Biwa: integrative taxonomy reveals overlooked species diversity of the Japanese freshwater snail genus Semisulcospira (Mollusca: Semisulcospiridae). Contributions to Zoology, 92(1), 1-37.