齊藤智 教育学研究科教授、柳岡開地 東京大学日本学術振興会特別研究員PD(現:大阪教育大学特任講師)、Yuko Munakata カリフォルニア大学教授らの研究グループは、幼児期の「満足遅延」(すぐに得られる小さな報酬を我慢し、将来得られる大きな報酬を優先すること)が文化に特有の「待つ」習慣により支えられることを明らかにしました。
日本の幼稚园や保育所、小学校、家庭では、皆が揃ってから「いただきます」と唱え、食べ物を口にする习惯があります。研究グループは、こうした食卓文化の中で育った日本の子どもは、食べ物を报酬とした満足遅延课题の待ち时间が长いと仮定しました。検証のために、日本と米国の子どもを対象として、包装されたプレゼントを报酬としたギフト条件(日本の子どもには「待つ」习惯が形成されていないと予想)とマシュマロを报酬とした食べ物条件を比较しました。その结果、予想通り、日本の子どもたちは、ギフト条件よりも食べ物条件において、目の前の报酬を我慢する割合が高いことが示されました。一方、米国の子どもたちは、食べ物条件よりもギフト条件において、报酬を我慢する割合が高いことが示されました。
本研究成果は、2022年6月24日に、国際学術誌「Psychological Science」にオンライン掲載されました。

○は食べ物条件における待ち时间の中央値、□はギフト条件における待ち时间の中央値を示している。
研究者のコメント
「书籍やメディアなどでも取り上げられる机会のあるマシュマロテストですが、日本における実証研究は少なく、私たちはまず、日本で予备実験を行いました。そこで、多くの日本の子どもがマシュマロを含む好みのお菓子を食べないで待っていることを発见し、大いに惊きました。日本学术振兴会の外国人招へい研究者として京都大学に约半年滞在していた米国の共同研究者と议论するなかで、日米における食卓习惯の违いに着目し、その影响を実証するに至りました。このような満足遅延の発达研究によって、教育?保育?福祉に资する知见を着実に积み重ねていきたいと考えています。最后になりましたが、本研究にご协力くださった子どもさんや保护者の方々にあらためて感谢申し上げます。」(柳冈开地?齐藤智)
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【书誌情报】
Kaichi Yanaoka, Laura E. Michaelson, Ryan Mori Guild, Grace Dostart, Jade Yonehiro, Satoru Saito, Yuko Munakata (2022). Cultures Crossing: The Power of Habit in Delaying Gratification. Psychological Science, 33(7), 1172-1181.