必要な时だけ标的タンパク质を壊すがん治疗―薬剤投与によるマウス内在性笔顿-1の分解―

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 成瀬智恵 医学研究科准教授、浅野雅秀 同教授、杉山文博 筑波大学教授、宮崎龍彦 岐阜大学教授らの研究グループは、特定のタンパク質を必要な時だけ除去するSMAShデグロンシステムを用いて、マウスの内在性PD-1の分解およびがん細胞の増殖抑制に成功しました。

 免疫机能のブレーキの役割を持つ笔顿-1タンパク质の机能を阻害することで、免疫细胞によるがん细胞の伤害活性を高めるがん免疫疗法は、高い治疗効果が认められますが、笔顿-1の机能を长く阻害しすぎてしまうことが原因で自己免疫疾患を発症する例があります。そこで研究グループは、免疫细胞上の笔顿-1を短い时间だけ分解できるようながん治疗モデルを构筑しました。本研究は、必要な时だけ特定のタンパク质を分解して减らすことのできるデグロンシステムによって、マウス生体内の内在性タンパク质を机能阻害できることを示した最初の例であり、様々な生物现象や病気の治疗法の研究などに応用することが期待できます。

 本研究成果は、2022年6月17日に、国際学術誌「NAR Cancer」にオンライン掲載されました。

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図:厂惭础厂丑デグロンシステムを免疫细胞に组み込み、笔顿-1を薬剤(础厂痴/骋搁痴)で分解できるようにしたマウスでは、移植されたがん细胞の増殖が抑制された。
研究者情报
研究者名
成瀬 智恵
研究者名
浅野 雅秀
书誌情报

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【书誌情报】
Chie Naruse, Kazushi Sugihara, Tatsuhiko Miyazaki, Xuchi Pan, Fumihiro Sugiyama, Masahide Asano (2022). A degron system targeting endogenous PD-1 inhibits the growth of tumor cells in mice. NAR Cancer, 4(2):zcac019.