体内时计は夜间に自然免疫を発动―皮肤ケモカインによる自然免疫机构―

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 辻花光次郎 医学研究科博士課程学生、岡村均 同研究員(同名誉教授)と種子島幸祐 東京都医学総合研究所主席研究員、原孝彦 同プロジェクトリーダーらの研究グループは、皮膚の生体リズムが抗菌免疫を制御する仕組みについて解明しました。

 本研究グループは、生体リズムの皮膚での役割を探るため、マウス表皮のさまざまな時間での遺伝子発現を網羅的に解析しました。すると、ケモカインと呼ばれる免疫を制御する遺伝子の一つCXCL14が生体リズムに沿った発現変動を示すことを見出しました。夜行性マウスでは、CXCL14の発現は、昼は高く、夜は低かったのに対し、ヒトと同じ昼行性の霊長類であるコモンマーモセットでは、昼は低く、夜は高かったのです。リズミカルに発現したCXCL14は黄色ブドウ球菌のDNAに強く結合し、Toll-like receptor 9(TLR9)と呼ばれる細菌DNAのセンサー分子を活性化することで、自然免疫を発動し、病原体の過剰増殖から皮膚を保護しました。このように、生体リズムは、細菌など病原体から身体を守る免疫の最初の段階で、自然免疫の発動を駆動させることが解明されました。

 本研究成果は、2022年6月15日に、国际学术誌「笔狈础厂(米国科学アカデミー纪要)」にオンライン掲载されました。

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本研究の概要図

研究者のコメント

「黄色ブドウ球菌は、脓痂疹、蜂巣炎、脓疡などの皮肤感染症としては最も良く知られた细菌で、外伤、热伤、手术创などに続いて感染悪化させる原因菌としても良く知られています。こういう菌が常时身体の外にあっても、それほど増えすぎず、私たちは元気なのです。今回の研究によって、このような异物を直ぐに认知し、消退させる机能の一端を明らかにすることができました。
生体リズムは、皮肤の血流の循环、皮肤の细胞の代谢などさまざまな皮肤机能に関与していることが、既に知られています。今回は、表皮细胞から免疫を駆动するのに役立つ物质が、夜、寝ている间に作られることがわかりました。皆さんも生体リズムを乱すような生活をすると、肌荒れなどが起こりやすいことはわかっておられるでしょうが、夜间睡眠をしっかりとって、颁齿颁尝14のような免疫応答を上げる物质をしっかり作って、ウイルスや细菌に负けない身体を作ってください。
今回取り上げた、生体リズムも自然免疫系も、非常に古くからある生体机能システムです。いずれも、数亿年以上前の脊椎动物の出现、いやそれ以前の真核生物が始まったころにまでさかのぼる可能性があります。この非常に古くからある両システムは、いろんな段阶で、共に进化してきたのではないでしょうか。今后の进化生物学的なアプローチによる両者の相互作用の研究も注目されます。」(冈村均)

研究者情报
研究者名
岡村 均
书誌情报

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【书誌情报】
Kojiro Tsujihana, Kosuke Tanegashima, Yasuko Santo, Hiroyuki Yamada, Sota Akazawa, Ryuta Nakao, Keiko Tominaga, Risa Saito, Yasumasa Nishito, Ryu-Ichiro Hata, Tomonori Nakamura, Iori Murai, Yuka Kono, Maho Sugawa, Miki Tanioka, Gyohei Egawa, Masao Doi, Tadashi Isa, Kenji Kabashima, Takahiko Hara, Hitoshi Okamura (2022). Circadian protection against bacterial skin infection by epidermal CXCL14-mediated innate immunity. Proceedings of the National Academy of Sciences (PNAS), 119(25):e2116027119.

メディア掲载情报

産経新聞(7月28日夕刊 2面)に掲載されました。