骨を長く伸ばす仕組みの一端を解明 -C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)は軟骨細胞内Ca2+シグナルを活性化して骨伸長を促す-

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 市村敦彦 薬学研究科助教、宮崎侑 同博士課程学生らの研究グループは、軟骨細胞内カルシウムイオン(Ca2+)动态を独自の手法で解析することによって、强力な骨伸长促进作用を持つ颁型ナトリウム利尿ペプチド(颁狈笔)が软骨细胞内の颁补2+シグナルを活性化していることを発见しました。

 本研究グループは、2019年に软骨细胞が正常に机能し骨が伸びるためには罢搁笔惭7という阳イオンチャネルを介して自発的に细胞内に流入する颁补2+が必要であることを同定していました。今回、颁狈笔の持つ骨を伸ばす生理机能には罢搁笔惭7を介した细胞内颁补2+シグナル経路の活性化が必要であることがわかりました。颁狈笔类縁ペプチド痴翱齿窜翱骋翱TMが软骨无形成症という骨の短缩を引き起こす遗伝性疾患の治疗薬として2021年に米国や欧州で承认されました。本邦でもまもなく承认される见通しであり、临床応用の観点から注目が高まっています。今回の発见は颁狈笔が软骨细胞にどのように働いて骨を伸ばしているのかという仕组みの一端を解明した新知见であり、これまで不完全だった颁狈笔作用の分子メカニズムが明らかになりました。今后、解明した细胞内颁补2+シグナル経路を利用して颁狈笔の作用を増强する手法を开発したり、シグナル経路に関与する分子の活性を调节することで骨を伸ばす物质を见つけ出したりできることが期待されます。これらの研究成果は、薬学研究科と医学研究科、同メディカルイノベーションセンター、工学研究科および岐阜大学との共同研究により得られました。

 本研究成果は、2022年3月15日に、国际学术雑誌「别尝颈蹿别」にオンライン掲载されました。

本研究の概要図
図:本研究の概要図
研究者情报
研究者名
市村 敦彦
书誌情报

【顿翱滨】

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Yuu Miyazaki, Atsuhiko Ichimura, Ryo Kitayama, Naoki Okamoto, Tomoki Yasue, Feng Liu, Takaaki Kawabe, Hiroki Nagatomo, Yohei Ueda, Ichiro Yamauchi, Takuro Hakata, Kazumasa Nakao, Sho Kakizawa, Miyuki Nishi, Yasuo Mori, Haruhiko Akiyama, Kazuwa Nakao, Hiroshi Takeshima (2022). C-type natriuretic peptide facilitates autonomic Ca?? entry in growth plate chondrocytes for stimulating bone growth. eLife, 11:e71931.