縺(もつ)れ结晶に起因した「超伝导反强磁性」状态を発见

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 木舩茉悠 理学研究科修士課程学生(研究当時)、尾方司貴 同修士課程学生、金城克樹 同博士課程学生、真砂全宏 同博士課程学生(現:島根大学助教)、谷口貴紀 同博士研究員(現:東北大学助教)、北川俊作 同助教、石田憲二 同教授の研究グループは、ドイツのマックス?プランク研究所(MPI)ドレスデンの研究グループと共同で、局所的に空間反転対称性が破れた結晶に起因した超伝導相内部で実現する特殊な反強磁性状態を発見しました。

 近年、特殊な结晶构造が生み出す超伝导状态や磁気状态に注目が集まっています。颁别搁丑2As2は、结晶构造自身は空间反転対称性をもっていますが、超伝导や磁気的性质に重要なセリウム原子サイトでは空间反転対称性が破れている特殊な结晶构造(縺れ结晶)を有しています。このような结晶では、结晶构造に起因した2种类の超伝导状态が実现することが理论的に指摘されていましたが、ごく最近、惭笔滨ドレスデンのグループが理论と比较可能な超伝导状态を発见しました。

 本研究グループは、颁别搁丑2As2に対して核四重极共鸣実験を行い、あらたに、超伝导相の内部に反强磁性転移が存在することを発见しました。反强磁性と超伝导が共存する物质ではほとんどの场合、反强磁性転移した后に超伝导になる、「反强磁性超伝导」状态であり、本物质で実现している「超伝导反强磁性」状态はごくまれです。本成果により縺れ结晶の物质では、特异な超伝导に加え、特异な磁気状态を示すことも明らかになりました。今后、この「超伝导反强磁性」と2种类の超伝导がどのように関係しているかを研究していく予定です。

 本研究成果は、2022年2月3日に、国際学術誌「Physical Review Letters」にオンライン掲載されました。

超伝導状態を背景に反強磁性が現れる「超伝導反強磁性」状態のイメージ図
図:超伝导状态を背景に反强磁性が现れる「超伝导反强磁性」状态のイメージ図
研究者情报
研究者名
北川 俊作
研究者名
石田 憲二
书誌情报

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Mayu Kibune, Shunsaku Kitagawa, Katsuki Kinjo, Shiki Ogata, Masahiro Manago, Takanori Taniguchi, Kenji Ishida, Manuel Brando, Elena Hassinger, Helge Rosner, Christoph Geibel, Seunghyun Khim (2022). Observation of Antiferromagnetic Order as Odd-Parity Multipoles inside the Superconducting Phase in CeRh?As?. Physical Review Letters, 128(5):057002.