中村亮介 アジア?アフリカ地域研究研究科助教、甘田岳 農学研究科博士課程学生(現?海洋研究開発機構ポストドクトラル研究員)、梶野浩史 同博士課程学生、森里惠 理学研究科研究員、金森主祥 同助教、長谷川元洋 同志社大学教授らの研究グループは、葉毛の特徴が大きく異なるクワ科近縁の二樹種(ケイ酸質の葉毛を高密度で有するカジノキBroussonetia papyriferaと叶毛をほとんどもたないヤマグワMorus australis)を用いて研究を行い、ケイ酸质の叶毛が中型?大型土壌动物による叶の分解を抑制する可能性を実験的に明らかにしました。
叶毛は植物において広く见られる叶の形态学的な特徴の一つです。叶毛が植食者に対する防御机能を有することは知られていましたが、叶が地面に脱落した后の叶の分解におよぼす影响はこれまで明らかになっていませんでした。本研究では、叶毛が中型?大型土壌动物による叶の分解を抑制するという仮説を立て、検証を行いました。一连の実験结果は、カジノキのケイ酸质の叶毛が中型?大型土壌动物による叶の分解を抑制する可能性を支持しており、叶毛が叶の分解に大きな影响をおよぼしうることがわかりました。植物は多様な形态学的、化学的性质の叶毛を有しています。本研究は叶毛の特徴が异なるクワ科の二树种を対象にしましたが、今后より多くの植物种を含めて検証を行い、生态系レベルでの分解における叶毛の意义の解明が期待されます。
本研究成果は、2021年11月19日に、国際学術誌「Plant and Soil」の特集号「Silicon at the root-soil interface」でオンライン掲載されました。
図:中型?大型土壌动物による分解に対する叶毛の効果を调べた実験の様子。
(补)本実験に用いたカジノキ(Broussonetia papyrifera)、
(产)カジノキのケイ酸质の叶毛(里面の叶毛密度が非常に高い)、
(肠)异なるメッシュバッグを用いた分解试験、
(诲)オカダンゴムシ(Armadillidium vulgare)を用いたカフェテリア试験。
【顿翱滨】
Ryosuke Nakamura, Gaku Amada, Hirofumi Kajino, Kei Morisato, Kazuyoshi Kanamori, Motohiro Hasegawa (2022). Silicious trichomes as a trait that may slow down leaf decomposition by soil meso- and macrofauna. Plant and Soil, 471, 289-299.