クローン繁殖フナは稀に有性生殖をしながら繁栄 -遺伝的に多様なクローンフナが存在する謎を解明-

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 日本人に驯染みの深い淡水鱼であるフナは、雄と雌で有性生殖をする通常の2倍体(有性フナ)と雌だけでクローン繁殖をする3倍体(クローンフナ、いわゆるギンブナ)が全国の河川や湖沼で共存しています。

 三品達平 理学研究科博士課程学生(現?理化学研究所)、渡辺勝敏 同准教授、武島弘彦 東海大学海洋学部特定研究員、西田 睦 琉球大学学長、井口恵一朗 长崎大学大学院水产?环境科学総合研究科教授を中心とした国际共同研究グループは、雌だけで繁殖するフナの起源を明らかにし、またクローン繁殖であるにも関わらず、大きな遗伝的多様性をもつ理由を突き止めました。

 本研究グループが日本全国やユーラシア大陆から採集されたフナの遗伝子を详细に比较したところ、(1)日本のクローンフナはもともと大陆起源で、氷期に日本に侵入した可能性が高いこと、そして(2)クローンフナが稀に日本各地の有性フナと有性生殖し、新たな遗伝子を获得しながら分布を拡大してきたことが明らかになりました。クローンが有性个体と生殖し、核やミトコンドリアの遗伝子をダイナミックに取り入れながら进化してきた証拠は脊椎动物では初めての発见です。これは「性のあり方」に対する生物観を変える新知见だともいえ、今后、生物において有性生殖がどのように进化してきたのかという大きな谜をひもとく一つの手がかりになると期待されます。

 本研究成果は、2021年11月18日に、国際学術誌「Scientific Reports」にオンライン掲載されました。

 フナ:ここではゲンゴロウブナやヨーロッパブナを除くフナ类の総称

クローン繁殖フナは稀に有性生殖をしながら繁栄
図:クローン繁殖フナは稀に有性生殖をしながら繁栄
研究者情报
研究者名
渡辺 勝敏
书誌情报

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Tappei Mishina, Hirohiko Takeshima, Mikumi Takada, Kei’ichiro Iguchi, Chunguang Zhang, Yahui Zhao, Ryouka Kawahara-Miki, Yasuyuki Hashiguchi, Ryoichi Tabata, Takeshi Sasaki, Mutsumi Nishida, Katsutoshi Watanabe (2021). Interploidy gene flow involving the sexual-asexual cycle facilitates the diversification of gynogenetic triploid Carassius fish. Scientific Reports, 11:22485.