太陽フレアによる被ばくの脅威から航空機搭乗者を「合理的」に護る -経済的損失リスクの定量化により最適な航空機運用指針の策定が可能に-

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 山敷庸亮 総合生存学館教授、藤田萌 同博士課程学生(研究当時)、佐藤达彦 同ソーシャルイノベーションセンター有人宇宙学研究センター特任教授 (兼?日本原子力研究開発機構研究主席)、斎藤享 海上?港湾?航空技術研究所上席研究員らの研究グループは、過去2000年間に発生した太陽フレアの頻度と強度、および最新のシミュレーションにより得られた太陽放射線被ばく線量率の4次元空間時系列データを解析し、太陽放射線被ばくによる航空機運航計画変更に伴う経済的損失リスクの定量化に世界で初めて成功しました。

 その结果、被ばく回避のための低高度への飞行高度変更や欠航を必要とするような巨大な太阳フレアの発生频度は约17年に1回で、その対策コストを考虑した1年あたりの経済的损失リスクは、毎日运航する长距离便の场合、最大约1,500米ドルであることがわかりました。この値は、火山喷火など他の航空リスクと比べてそれほど大きくなく、太阳フレアによる被ばくの胁威から合理的に航空机搭乗者を护ることができることを示唆しています。また、将来、航路上の积算被ばく线量をリアルタイムで推定可能となれば、そのリスクは更に3分の1程度まで低减できることもわかりました。これらの成果は、太阳フレア时の最适な航空机运用対策指针の决定やリスク対策に役立つと期待されます。

 本研究成果は、2021年9月2日に、国際学術誌「Scientific Reports」のオンライン版に掲載されました。

本研究のイメージ図
図:高度を低下させ太陽フレアによる被ばくの脅威を避ける航空機のイメージ(木村なみ 作画)
研究者情报
研究者名
山敷庸亮
研究者名
佐藤达彦
书誌情报

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Moe Fujita, Tatsuhiko Sato, Susumu Saito, Yosuke Yamashiki (2021). Probabilistic risk assessment of solar particle events considering the cost of countermeasures to reduce the aviation radiation dose. Scientific Reports, 11:17091.

メディア掲载情报

電気新聞(9月7日 2面)、日刊工業新聞(9月6日 19面)および日本経済新聞(9月26日 26面)に掲載されました。