サナダユムシの本体、88年ぶりに採集成功 -干潟の深い巣穴に住む世界最大のユムシ-

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 サナダユムシ Ikeda taenioidesは世界最大种のユムシで、2尘以上にもなるテープ状の极めて长い口吻と65肠尘以上にもなる体干部(本体)を持ちます。日本固有种で、干潟の砂泥に深い縦穴を掘ってその中に生息します。採饵のために巣穴の中から海底表面に长く伸ばした口吻は时々観察されるにも関わらず、本体は常に深い巣孔の奥深くに留まるため採集するのは极めて困难です。少なくない海洋生物学者が本体の採集を试み、挫折してきました。これまでの体干部の採集例は、池田岩治博士らが1901年に苦労して採集した神奈川県叁崎产8个体と、1934年に佐藤隼夫博士が论文で図表に载せた1931年尾道产の1个体に限られます。

 今回、邉见由美 フィールド科学教育研究センター助教、伊谷行 高知大学教授、塩﨑祐斗 同博士課程学生(研究当時)らの研究グループは、瀬戸内海の干潟にて2019年と2020年にヤビーポンプを用いてサナダユムシの採集に成功しました。本体の採集成功は88年ぶりになります。さらに、后藤龙太郎 フィールド科学教育研究センター助教によって採集標本が吟味され、体色の変異や繁殖様式について新たな知見が得られました。本研究成果は、謎に満ちた本種の生態解明の足がかりとなることが期待されます。

 本研究成果は、2021年8月6日に、国際学術誌「Plankton & Benthos Research」に掲載されました。

サナダユムシ
図:サナダユムシ
研究者情报
研究者名
邉见由美
研究者名
后藤龙太郎
书誌情报

【顿翱滨】

Ryutaro Goto, Yumi Henmi, Yuto Shiozaki, Gyo Itani (2021). Giant spoon worms pumped out of their deep burrows: First collection of the main bodies of Ikeda taenioides (Annelida: Thalassematidae: Bonelliinae) in 88 years. Plankton and Benthos Research, 16(3), 155-164.

メディア掲载情报

朝日新聞(11月25日夕刊)および読売新聞(10月28日夕刊 5面)に掲載されました。