广理英基 化学研究所准教授、金光义彦 同教授、章振亜 同修士課程学生(理学研究科)、関口文哉 同特定助教らの研究グループは、スプリットリング型共振器によってテラヘルツ周波数帯の電磁波(電磁場)の真空量子揺らぎとハライドペロブスカイト半導体CH3NH3PbI3中のフォノン(格子振动)を强く结合させることにより、フォノンの周波数を大きく変调できることを発见しました。
これまで、光共振器を用いると原子ガスや半导体中の电子準位と电磁波の量子揺らぎが强く结合することは知られていましたが、テラヘルツ周波数帯に位置する固体中のフォノンは电磁波との相互作用が弱く、强い结合状态の実现が难しいことが知られていました。本研究では、金で作製したスプリットリング型共振器の一部をナノサイズ化することにより、真空中の量子揺らぎがもたらす电磁波の电场成分が600倍に増强され、これによってフォノンの共鸣周波数が分裂する真空ラビ分裂を観测することに成功しました。この真空ラビ分裂の周波数幅に比例する结合定数ηは0.24に达し、超强结合状态を示すことを世界で初めて明らかにしました。
今回の光の量子揺らぎにより物质中のフォノンを操作する技术は、固体物性の新たな制御法を提示し、全く新しい光电子デバイス开発につながることが期待されます。
本研究成果は、2021年7月27日に、国際学術誌「Physical Review Research」に掲載されました。
図:(补)スプリットリング共振器にある电磁波の真空量子揺らぎの模式図と
(产)共振器のギャップ长骋を小さくしたときにフォノンの真空ラビ分裂ΩRの増大を示す実験结果。
【顿翱滨】
【碍鲍搁贰狈础滨アクセス鲍搁尝】
Zhenya Zhang, Hideki Hirori, Fumiya Sekiguchi, Ai Shimazaki, Yasuko Iwasaki, Tomoya Nakamura, Atsushi Wakamiya, Yoshihiko Kanemitsu (2021). Ultrastrong coupling between THz phonons and photons caused by an enhanced vacuum electric field. Physical Review Research, 3(3):L032021.