李展召 化学研究所博士課程学生、猿山雅亮 同特定助教、寺西利治 同教授、浅香透 名古屋工業大学准教授、立津慶幸 名桜大学准教授の研究グループは、イオン性ナノ結晶の陽イオン交換反応中に起こる結晶構造変化が、ナノ結晶の形状に依存することを発見しました。陽イオン交換反応は、イオン性ナノ結晶の元素組成を容易に調整できる方法として注目されていますが、結晶構造の制御は難しいと考えられてきました。
本研究では、16种类の幅と高さをもつ六角柱型の六方晶系颁耻1.8厂ナノ结晶を颁辞2+と陽イオン交換を行い、高さが約10 nmを境に、生成物の結晶構造が六方晶系CoSと立方晶系Co9S8に分かれることを発见しました。第一原理计算によって、六角柱型の六方晶系颁辞厂は底面よりも侧面の表面エネルギーが大きく、高さが大きくなると侧面の広い露出を避けようとして安定な立方晶系颁辞9S8へ构造変化することが示唆されました。颁辞2+以外の阳イオンでは异なる倾向が见られ、物质固有の构造安定性がこの现象に重要な役割をもつことも分かりました。これらの知见は、温和な条件で物质中のイオンの配列を制御する技术につながると考えられます。
本研究成果は、2021年7月16日に、国际学术誌「厂肠颈别苍肠别」のオンライン版に掲载されました。

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Zhanzhao Li, Masaki Saruyama, Toru Asaka, Yasutomi Tatetsu, Toshiharu Teranishi (2021). Determinants of crystal structure transformation of ionic nanocrystals in cation exchange reactions. Science, 373(6552), 332-337.