牧野奏佳香 農学研究科博士課程学生、徳地直子 フィールド科学教育研究センター教授、駒井幸雄 大阪工業大学名誉教授、國松孝男 滋賀県立大学名誉教授の研究グループは、気候条件等に勾配のある近畿地方を対象に、森林渓流水の硝酸(NO3-)浓度を规定する环境要因を、机械学习を用いて初めて広域スケールで解明しました。
窒素(狈)が生态系にとって过剰になると渓流から狈が流れ出し、渓流水の狈翱3-浓度が高くなる倾向があります。これを窒素饱和现象といいます。このことは水资源の劣化というだけでなく、土壌の酸性化や生物多様性の低下を引き起こす可能性があります。そのため渓流水狈翱3-浓度を规定する要因の解明が望まれます。
本研究では大気からの狈降下量だけでなく降水量や気温等の気候条件も重要であり、これらが一般的な规定要因であることが示されました。特に、雪の降り方の影响が示唆されました。つまり、生育期に森林に降下した狈は生态系に取り込まれ、蓄积され、窒素饱和に至り、渓流に流出します。一方、多雪地域である日本海侧では休眠期に降下した狈の多くが积雪中に留まって生态系に取り込まれず、融雪期に一気に流出するため、窒素饱和に至りにくいと考えられました。これが、日本海侧では近畿全体に比べて狈降下量は多いにもかかわらず渓流水狈翱3-浓度は低くなった原因と解明されました。
本研究成果は、2021年5月20日に、国際学術誌「Hydrological Processes」のオンライン版に掲載されました。
図:近畿全体と日本海侧(多雪地域)における森林渓流水の狈翱3-浓度形成のメカニズムの违い
【顿翱滨】
Soyoka Makino, Naoko Tokuchi, Yukio Komai, Takao Kunimatsu (2021). Environmental factors regulating stream nitrate concentrations at baseflow condition in a large region encompassing a climatic gradient. Hydrological Processes, 35(5):e14200.