受精卵の発生に重要な因子を発見 -ヒストンのアルギニンジメチル化が重要-

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 守田昂太郎 医学研究科特定助教、松本和也 近畿大学教授らの研究グループは、マウス受精卵を用いた研究により胚発生に重要な因子を発見しました。

 生命の始まりの细胞である受精卵は、受精后に全ての细胞へ分化できる能力(全能性)を获得することで体を形作ることができるようになります。全能性を获得するまでに、受精卵の核内ではリプログラミングと呼ばれる现象が起こり、精子と卵子由来の顿狈础に记録された遗伝子発现を制御するための情报がリセットされ、受精卵は新しく遗伝子発现を开始します。しかしながら、この过程の详しい分子机构は不明な点が多いです。

 本研究では、リプログラミングに関与する候补因子の中から、ごく初期の胚において未だ机能が明らかになっていないアルギニンメチル基転移酵素笔搁惭罢5と笔搁惭罢7に注目し、これらの酵素によってヒストンタンパク质(贬3)の2番目のアルギニンに付加された対称性ジメチル化修饰(贬3搁2尘别2蝉)が、胚発生に必须とされるゲノムの活性化に重要な働きをすることがわかりました。

 本研究成果は、2021年5月12日に、国際学術誌「Scientific Reports」に掲載されました。

本研究の概要図
図:本研究の概要図
研究者情报
研究者名
守田昂太郎
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Kohtaro Morita, Yuki Hatanaka, Shunya Ihashi, Masahide Asano, Kei Miyamoto, Kazuya Matsumoto (2021). Symmetrically dimethylated histone H3R2 promotes global transcription during minor zygotic genome activation in mouse pronuclei. Scientific Reports, 11, 10146.